ニュース
独自NPU搭載、エッジデバイス向けマイコン:NXP i.MX RT700
NXPセミコンダクターズは、AI(人工知能)に対応した、スマートエッジデバイス向けのマイクロコントローラー「i.MX RT700」を発表した。最大5個の演算コアと、同社独自のNPUコア「eIQ Neutron」を搭載する。
NXPセミコンダクターズは2024年9月、AI(人工知能)に対応した、スマートエッジデバイス向けのマイクロコントローラー「i.MX RT700」を発表した。早期アクセスカスタマーに対し、サンプル出荷を開始している。
独自のNPUコア搭載で最大172倍高速化
i.MX RT700は最大5個の演算コアを備え、同社独自のNPU(ニューラルプロセッシングユニット)コア「eIQ Neutron」を搭載。プライマリーコアには、325MHz動作のArm Cortex-M33を採用した。これにより、Arm Cortex-M33単体でAI推論を実行する場合と比べ、AIワークロードを最大172倍高速化し、推論当たりの消費電力を最大119分の1に低減する。
また、DSPやオーディオ処理タスク向けに「Cadence Tensilica HiFi 4 DSP」を備えた。最大7.5Mバイトまで拡張可能なSRAMを搭載し、メモリへのアクセス時の待機時間を低減している。同社の前世代品に比べ、消費電力を30〜70%削減できる。
新しいeUSB規格に準拠していて、USB 2.0インタフェースを1Vまたは1.2VのI/O電圧で動作する。同社のセキュアエンクレーブ「EdgeLock」を採用し、バッテリー節約モードでのセキュアブートやメモリ暗号化、セキュアアップデート、データへのセキュアなアクセスなどが可能だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- エッジに高度な音声認識をもたらすスパースAIマイコン
Femtosenseは、同社のNPU(ニューラルプロセッシングユニット)とABOV SemiconductorのMCUを統合した、スパースAI(人工知能) MCU「AI-ADAM-100」を開発した。クラウドに接続されていないデバイスでも、エッジに音声言語インタフェースを実装できるという。 - MLアクセラレーション機能搭載、エッジデバイス向けマイコン
インフィニオン テクノロジーズは、エッジデバイス向けのマイクロコントローラー「PSoC Edge」を発表した。高応答性コンピューティングや制御アプリケーション向けに設計され、MLアクセラレーション機能を搭載する。 - MPUベースのシステムと同等性能を実現する汎用32ビットMCU
STマイクロエレクトロニクスは、汎用32ビットマイクロコントローラー「STM32H7」シリーズに「STM32H7R」「STM32H7S」を追加した。マイクロプロセッサベースのシステムと同等の性能、拡張性、セキュリティ機能を、マイコンで実現している。 - 64ビット「Arm Cortex-A35コア」を搭載したマイクロプロセッサ
STマイクロエレクトロニクスは、第2世代のマイクロプロセッサ「STM32MP2」シリーズを発表した。同社製品では初という、64ビットArm Cortex-A35コアを搭載した汎用マイクロプロセッサだ。 - NXP「i.MX 95」プロセッサ搭載コンピュータオンモジュール
コンガテックは、コンピュータオンモジュール「conga-SMX95」を発表した。NXPのアプリケーションプロセッサやAI、ML向けのNPU、ArmのGPUを搭載している。