「世界最高水準」の高精度6軸慣性センサー:村田製作所 SCH1633-D01
村田製作所は、自動車向けに、同期機能付き高精度6軸慣性力センサー「SCH1633-D01」を開発した。さまざまなシステムレベルの時間的同期機能をサポートし、LiDARやレーダーの傾き検知などが必要とする慣性信号を提供する。
村田製作所は2024年11月、自動車向けに、同期機能付き高精度6軸慣性力センサー「SCH1633-D01」を開発したと発表した。現在、サンプルを提供中で、2025年前半に量産を開始する。
自己位置推定や車両姿勢センシングに1つで対応
SCH1633-D01は、同社が培ってきた3D(3次元) MEMSとシステム設計技術により開発。さまざまなシステムレベルの時間的同期機能をサポートし、GNSS(全球測位衛星システム)と連携した自己位置推定、車両姿勢センシング、カメラやLiDAR、レーダーの傾き検知などに必要な慣性信号を提供する。車両に1つ配置することで、これらの機能に高品質な信号を提供できる。
ジャイロアラン分散(底値)は0.5deg/h以下、ジャイロアングルランダムウォークは0.05deg/√Hz以内、リニアリティはジャイロセンサーが0.02dps、加速度センサーが0.06m/s2で、MEMSジャイロでは「世界最高水準」(同社)のセンサー性能を有する。ジャイロと加速度各軸の直交性を補正したセンサー出力で、軸直交性エラー値は全温度範囲で0.3deg以下だ。
電圧は3.0〜3.6V、角速度測定範囲は±300dps、±125dps、±62.5dps、加速度測定範囲は±80m/s2(ダイナミックレンジ:±260m/s2以内)、出力はSafeSPI 2.0(最大20ビットのセンサーデータ、200以上の内部信号をモニタリング)だ。パッケージは、12×14×3mmの24ピンSOICを採用している。
また、同製品とアルゴリズムを組み合わせることで、2027年に予定されるUNECE(国際連合欧州経済委員会)によるヘッドライトのレベリング規制にも対応する。
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