6軸センサーを備えた車載向けMEMS慣性計測モジュール:「AEC-Q100グレード1」に準拠
STマイクロエレクトロニクスは、3軸加速度センサーと3軸ジャイロセンサーを備えた、車載グレード対応のMEMS慣性計測モジュール「ASM330LHBG1」を発表した。ASIL-Bまでのシステム認証に対応する。
STマイクロエレクトロニクスは2024年5月、3軸加速度センサーと3軸ジャイロセンサーを備えた、車載グレード対応のMEMS慣性計測モジュール「ASM330LHBG1」を発表した。既に量産中で、1000個購入時の単価は約9.4米ドル(約1479円)となる。
ASM330LHBG1は、車載用電子部品規格の「AEC-Q100グレード1」に準拠し、−40〜+125℃の温度範囲で動作する。ナビゲーションシステムの測位やLiDAR、レーダー、デジタル式ブレ補正カメラ、アクティブサスペンション、ドアモジュール、V2X(車車間、路車間)通信などに適する。
また、同社のMLC(機械学習コア)とプログラマブルなFSM(ステートマシン)を備えており、センサー内部でAI(人工知能)アルゴリズムを動作させるため、わずかな消費電力でスマートな機能を提供する。
機能安全向けのソフトウェアライブラリを利用可能
ISO 26262に準拠したソフトウェアライブラリを利用でき、同製品2個とソフトウェアを組み合わせて、機能安全に準拠した冗長性を持たせることができる。SEooC(Safety Element out of Context)仕様で、ASIL-B(自動車安全性レベルB)までのシステム認証に対応する。
温度補正機能や割り込み処理、3KバイトのFIFOを搭載する他、6軸分の信号を同期して出力でき、推測航法アルゴリズムの精度を高められる。また、同社従来品とのピン互換性を備え、動作温度範囲が低い製品から同製品へと容易にアップグレードできる。
インタフェースは、I2C、MIPI I3C、SPIを備える。パッケージは2.5×3mmで14リードのプラスチック製VFLGAを採用した。
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