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マイクロプロセッサを使用したシステム、基板レイアウト作成時の重要ポイントは:マイクロプロセッサQ&Aハンドブック(4)(5/6 ページ)
マイクロプロセッサ(MPU)を使用したボードを開発するユーザーが抱えるさまざまな悩みに対し、マイクロプロセッサメーカーのエンジニアが回答していく連載「マイクロプロセッサQ&Aハンドブック」。今回は、「基板レイアウト作成時の重要ポイント」について紹介します。
基板配線の配線トラック幅/配線トラック間隔
DDRメモリの信号配線は、シングルエンド55Ωと差動100Ωが必要になります。この2つを例に配線トラック幅とトラック間隔の例を見てみましょう。
前提条件として、基板の層構成が決まると、配線間のプリプレグの厚みや比誘電率が決まります。これらを決めた後、配線のトラック幅と配線トラック間隔は基板に必要な特性インピーダンスから決定できます(図2)
- シングルエンド:絶縁体の厚みhと比誘電率εrによって導体wの幅を決定
- 差動信号:間隔sも加えて決定する必要有り
表2を前提条件とした時のFR-4での4層基板の配線トラック幅/配線トラック間隔の例を表4に示します。
名称 | 厚み[mm] | 比誘電率 | シングルエンド 55Ω | 差動 100Ω | ||
---|---|---|---|---|---|---|
トラック幅 | トラック間隔 | トラック幅 | トラック間隔 | |||
ソルダレジスト(トップ) | 0.025 | 3.5 | - | - | - | - |
銅箔(トップ) | 0.037 | - | 0.09mm | プリプレグの厚み0.07mm*3以上 | 0.09mm | 0.16mm |
プリプレグ | 0.07 | 4.1 | - | - | - | - |
銅箔(L2) | 0.035 | 0.0595mm | 銅箔(トップ)と同様 | 0.042mm | 0.127mm | |
コア材 | 1.33 | 4.25 | - | - | - | - |
銅箔(L3) | 0.035 | - | 0.0595mm | 銅箔(ボトム)と同様 | ||
プリプレグ | 0.07 | 4.1 | ||||
銅箔(L4) | 0.037 | - | 0.09mm | プリプレグの厚み0.07mm*3以上 | ||
ソルダレジスト(ボトム) | 0.025 | 3.5 | ||||
シルク(ボトム) | - | - | - | |||
表4:FR-4での4層基板の配線トラック幅/配線トラック間隔の例 |
基板配線の特性インピーダンスの確認
基板配線の特性インピーダンスを計算する式とその複雑さや精度を表5にまとめました。基板設計CADにはマイクロストリップおよび差動マイクロストリップの特性インピーダンスを計算するカリキュレータが搭載されているため、これを使用して、配線のトラック幅と配線トラック間隔が妥当かどうか、特性インピーダンスを確認します。
方式 | 簡潔さ | 計算精度 |
---|---|---|
IPC-2141の近似式 | 簡単 | 〇 |
Brian C. Wadellの方程式 | 複雑 | ◎ |
フィールドソルバーによる数値計算 | 複雑 | ◎ |
表5:特性インピーダンスの計算方法の比較 |
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