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マイクロプロセッサを使用したシステム、基板レイアウト作成時の重要ポイントはマイクロプロセッサQ&Aハンドブック(4)(6/6 ページ)

マイクロプロセッサ(MPU)を使用したボードを開発するユーザーが抱えるさまざまな悩みに対し、マイクロプロセッサメーカーのエンジニアが回答していく連載「マイクロプロセッサQ&Aハンドブック」。今回は、「基板レイアウト作成時の重要ポイント」について紹介します。

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DDRメモリの配線長許容差

 DDRのメモリの配線を考える際、配線を表6のようにグループ分けして考えます。これらの配線長は、マイクロプロセッサのパッケージ内の配線長を考慮する必要があります。STM32MP13シリーズでは、配線長をチェックするためのExcelシートを”STM32MP13x Series DDR memory routing guidelines examples”で提供していますので、これを使用して、配線長が妥当かどうかを確認できます。

分類 DDRメモリの信号名 配線長さの許容差
アドレス・コマンド信号 クロック信号:
CLK_N
CLK_P
-
その他:
A0-15
BA0-2
CASN
CKE
CSN
ODT
RASN
WEN
クロック信号(CLK_N,CLK_P)との配線長の差分
-1.016〜0mm
データ信号Byte0 ストローブ信号:
DQS0_N
DQS0_P
クロック信号(CLK_N,CLK_P)との配線長の差分
-14.986〜0mm
その他:
DQ0-7
DQM0
ストローブ信号(DQS0_N,DQS0_P)との配線長の差分
-1.016〜+1.016mm
データ信号Byte1 ストローブ信号:
DQS1_N
DQS1_P
クロック信号(CLK_N,CLK_P)との配線長の差分
-14.986〜0mm
DQ8-15
DQM1
ストローブ信号(DQS1_N,DQS1_P)との配線長の差分
1.016〜+1.016mm
表6:STM32MP13シリーズのDDRメモリ配線長のグループ分け

基板の表面仕上げ

 基板表層の銅箔部の代表的な表面処理方法には、ENIG、OSP、HASLなどがあります。マイクロプロセッサなど非常に狭いピッチのコンポーネントを実装する場合には、平たん度が悪いHASLは適さず、ENIGやOSPなどが推奨されます。

基板の表面仕上げ 平たん度 保管可能期間 コスト
ENIG(Electroless Nickel Immersion Gold) 長い(1年程度)
OSP(Organic Solderability Preservative) 短い(半年程度)
HASL(Hot Air Solder Leveling) 長い(1年程度)
表7:代表的な基板の表面処理の比較

参考文献

  • アプリケーションノートAN5474 Getting started with STM32MP13x lines hardware development
  • アプリケーションノートAN5692 DDR memory routing guidelines for STM32MP13x product lines
  • STM32MP13x Series DDR memory routing guidelines examples:https://www.st.com/resource/en/hw_model/stm32mp13x-series-ddr-memory-routing-guidelines-examples.zip

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