検索
連載

電源ICで構成する電源回路、設計のポイントは?Q&Aで学ぶマイコン講座(100)(6/6 ページ)

マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、初心〜中級者の方からよく質問される「電源ICで構成する電源回路」についてです。連載第15回の「マイコン周辺部品の選び方――電源編」の続編です。

Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

非同期整流型のショットキーダイオード

1.順方向電圧と逆方向電流

 非同期整流型において、ショットキーダイオードは電源側のMOSがOFFしている期間は順方向になって、出力側へ電流を供給します。そのため順方向電圧が高いと損失が増え、電源回路の効率が悪くなります。

 順方向電圧が低い素子は、逆方向電流(漏れ電流)と平均整流電流が大きくなり、損失が大きくなります。同時に、パッケージも大きくなる傾向があります(図6参照)

<strong>図6:ショットキーダイオード</strong>
図6:ショットキーダイオード[クリックで拡大]

2.環境温度

 逆方向電流は環境温度によって(特に高温時に)変動しますので、高温環境での動作が想定される機器では環境温度を考慮する必要があります。実際の回路定数の選定では、各製品のデータシートに記載されているVR-IR特性から、想定される環境温度により逆方向電流を確認します。

3.まとめ

 選定の際は、順方向電圧を優先し、次に低順方向電圧品の中から、逆方向電流が小さいものを選定します。

 このように、単純に順方向電圧だけで判断せず、さまざまなパラメーターとの兼ね合いを考慮しなくてはなりません。

 ショットキーダイオードを選定する時のポイントを表3に示します。

<strong>表3:ショットキーダイオードの選定ポイント</strong>
表3:ショットキーダイオードの選定ポイント

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る