スリープ時の電流は70nA、日清紡マイクロの昇圧DC-DCコン:低リップルモードも搭載
日清紡マイクロデバイスは、民生機器向け昇圧DC-DCコンバーター「NC4650」シリーズを発売した。スリープ時の消費電流を従来品の4分の1に低減したほか、ノイズを抑制する低リップルモードを備えている。
日清紡マイクロデバイスは2025年4月、民生機器向け昇圧DC-DCコンバーター「NC4650」シリーズを発売した。1000個購入時の参考サンプル単価は330円(税込)で、月間100万個体制で生産する。
同シリーズは、スリープ時の消費電流を同社従来品の4分の1となる70nAに抑えた。また、ノイズを抑制する低リップルモードを備えている。IoT(モノのインターネット)エッジ端末や補聴器、スマートウォッチ、センサーネットワーク機器といった小型のバッテリー駆動機器に適している。
ノーマルモードと低リップルモードを切り替え可能
ノーマルモードと低リップルモードは、MODE端子で切り替えられる。ノーマルモードでは軽負荷でも電力変換効率90%以上を維持する(3.0V入力、3.3Vおよび0.01mA出力時)。一方、低リップルモードではノイズに敏感な用途に適した特性を発揮し、通信時の転送エラー抑制に寄与する。さらに、負荷電流に応じてPFMとPWMの制御方式を自動で切り替える機能も搭載する。
EN端子を用いたシャットダウン時の動作は、「VIN-VOUT完全遮断」「VOUTディスチャージ(オートディスチャージ機能)」「VIN-VOUTパススルー(シームレスパススルー機能)」から選択可能。特に、シームレスパススルー機能付きバージョンの「NC4650ZAxxxDE2S」では、逆流電流を抑えながら、VIN端子およびSW端子の電圧をそのままVOUT端子に出力できる。
主な仕様は、入力電圧が0.6〜5.5V、出力電圧が1.8〜5.0V(0.1V単位で設定可能)。0.8V(Typ.)で起動できる。動作温度範囲は、Ta(周囲温度)が−40〜+85℃、Tj(動作時接合部温度)が−40〜+125℃だ。パッケージは1.3×0.92×0.4mmのWLCSP-6-ZA1を採用している。
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