ニュース
「世界初」C-V2X通信向け自動車用ノイズ対策フェライトビーズ:民生機器の感度改善にも
村田製作所は、自動車用C-V2X通信のノイズ対策に対応したチップフェライトビーズ「BLM15VM」シリーズを商品化した。5.9GHz帯で1000Ωと、高インピーダンスの周波数帯域が拡大し、ノイズ対策に貢献する。
村田製作所は2025年6月、自動車用C-V2X通信(5.9GHz帯)のノイズ対策に対応した「世界初」(同社)のチップフェライトビーズ「BLM15VM」シリーズを商品化したと発表した。同年7月から量産を開始する。
BLM15VMシリーズは、近年増加している自動車での高周波無線通信の利用を踏まえて開発したものだ。特に自動運転や先進運転支援システム(ADAS)、セーフティ用途への展開を見据えている。従来品は高インピーダンスの周波数帯域が狭かったが、同シリーズは独自の材料技術と構造設計の最適化によって、5.9GHz帯で1000Ω(Typ.)と、高インピーダンスの周波数帯域が拡大。ノイズ対策が容易になった。
自動車パワートレインやセーフティ用途に使用可能
1.0×0.5mmの小型サイズで、使用温度範囲は−55〜+150℃。車載電子部品規格「AEC-Q200」に対応するため、自動車パワートレインやセーフティ用途に使用できる。
同シリーズによって、自動運転において重要な高周波通信のエラーを抑えることで、C-V2X通信(5.9GHz帯)やDSRC通信(5.8GHz帯)における受信感度が向上し、制御システムの安定動作に寄与する。
Wi-Fi 6E、Wi-Fi 7で使用する6GHz帯にも対応していて、民生用通信機器の感度改善やノイズ対策にも利用できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
2点以上のインダクターを置き換え 車載PoC向け高性能インダクター、TDK
車載PoC向けの高性能インダクター「ADL8030VA」を発売した。7.8×2.7×2.7mmの小型サイズながら、10〜100μHのインダクタンス値と最大0.82Aの定格電流範囲を備える。
静電容量は従来比2.1倍、2012Mサイズの車載用MLCC 村田製作所
村田製作所は、車載市場向けに、2012Mサイズの車載用積層セラミックコンデンサー「GCM21BE71H106KE02」を発表した。定格電圧50Vdcにおいて、静電容量10μFを達成している。
静電容量は従来比10倍、TDKの車載用3端子貫通型フィルター
TDKは、車載用の3端子貫通型フィルター「YFF」シリーズにおいて高耐圧化と大容量化を図り、1005サイズの「YFF15AC1V224MT0Y0N」と、2012サイズの「YFF21AC1A475MT0Y0N」を開発、量産を開始した。
産業機器向け、高EMC性能の高精度計装アンプIC 日清紡マイクロ
日清紡マイクロデバイスは、±2.3〜18Vで動作する産業機器向けの高精度計装アンプ「NL9620」を発表した。同相信号ノイズの多い環境でも安定して動作し、高精度に計測できる。
半導体用温調器修理の経験が生きる! アナログ回路のノイズ対策
半導体製造関連の温調器を13年ほど修理してきた筆者は、このアナログ機器の温調器修理経験を買われて知人から依頼された農業関連の技術支援も始めた。今回は、高精度な農作物の自動計量器の精度を維持するために重要なノイズ対策について解説する。
