0.6Vで6Aを供給 車載機器向け降圧コンバーター、STマイクロ:93%の高効率電源を実現
STマイクロエレクトロニクスは、車載機器向け降圧コンバーター「DCP0606Y」を発表した。最小0.6Vで最大6Aを供給するほか、同製品で構成した電源は最大負荷時に93%の高効率を達成できる。
STマイクロエレクトロニクスは2025年7月、車載機器向け降圧コンバーター「DCP0606Y」を発表した。既に量産を開始していて、1000個購入時の単価は約0.95米ドル(約140円)だ。
DCP0606Yは、ハイサイドおよびローサイドMOSFET、ゲートドライバ回路、制御ロジック回路、ソフトスタート回路などを搭載する。テレマティクスや先進運転支援システム(ADAS)の電源、ヘッドアップディスプレイ、インフォテインメント機器など、デジタル回路向けのポストレギュレーション用途に適する。
最小0.6Vで最大6Aを供給可能。スイッチング周波数は、外付け抵抗器1つで1.8MHz、2.25MHz、3.5MHz、4MHzに設定可能で、小型コンデンサーやインダクターを使用できる。
また、内蔵の周波数ディザリングでEMIのピークを低減するほか、外部ピンで低消費電力モード、低ノイズモードを選択可能だ。Power Good機能やイネーブルピン、ソフトスタートピンも備えていて、電源シーケンスを柔軟に構成できる。
最大効率93%、静止電流10μA
動作電源は、3.3Vまたは5V。出力は0.6Vから入力電圧まで設定可能で、固定出力(1.0V、1.2V、1.8V、3.0V、3.3V)にも対応する。出力放電機能もオプションで用意していて、全ての品種に過電圧、過電流、過熱保護、自動復帰機能を搭載した。
同製品で構成した電源は、最大負荷時に93%の高効率を達成。負荷が軽い場合はパルススキッピングで高効率を確保し、静止電流を10μAに抑える。ジャンクション温度範囲は−40〜+150℃。車載電子部品規格「AEC-Q100 Grade1」に準拠する。
パッケージは、3×2mmのQFN48を採用した。同社では、開発の簡略化や期間短縮を支援する評価ボード「STEVAL-0606YADJ」を提供している。
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