照明機器を小型／効率化するオフライン高電圧コンバーター、STマイクロ：外付け部品を削減

STマイクロエレクトロニクスは、民生機器や照明機器向けのオフライン高電圧コンバーター「VIPer11B」を発表した。800Vのアバランシェ耐性を備えたMOSFETなどを内蔵し、回路設計の簡素化やコスト削減に寄与する。

[EDN Japan]

　STマイクロエレクトロニクスは2025年7月、民生機器や照明機器などに向けたオフライン高電圧コンバーター「VIPer11B」を発表した。既に量産を開始していて、単価は1000個購入時で約0.56米ドル（約82円）だ。

オフライン高電圧コンバーター「VIPer11B」 出所：STマイクロエレクトロニクス

　同製品は、LED照明やスマートホーム設備、スマートメーター、家電など最大8Wクラスの製品に向けた電源構築に適する。800Vのアバランシェ耐性を備えたMOSFETやセンスFET、高電圧起動回路などを内蔵していて、回路設計の簡素化やコスト削減に寄与する。

軽負荷時も高効率

　発振器には、周波数ジッタリング機能を搭載。EMC規制への対応に必要な外付けフィルターを最小限に抑えられる。また、無負荷時の消費電力を10mW未満に抑え、パルススキッピング動作によって軽負荷時の効率も高めている。

　構成の柔軟性も高く、トランスの補助巻線または非絶縁型構成の出力からの電源供給が可能。絶縁型および非絶縁型のフライバック回路、降圧回路、昇降圧回路などに対応した。出力過負荷や過電圧保護、Vccクランプ、サーマルシャットダウン、自動リスタート、ソフトスタート機能も搭載している。

　370mAドレイン電流保護しきい値の「VIPer113B」と、480mAの電流制限機能を備えた「VIPer114B」の2品種をラインアップにそろえた。パッケージはSSOP10を採用している。