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30年前に関わった半導体用温調器、調査で判明した設計の盲点Wired, Weird(3/4 ページ)

修理を指導している友人から、技術支援の依頼があった。聞けば、筆者が30年ほど前、半導体製造装置の業務に従事していた時に関わった温調器に関する問題だったため、少し踏み込んで調べてみることにした。

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ペルチェ駆動基板へ電源を供給する基板を確認

 次は、ペルチェ駆動基板へ電源を供給する電源基板を確認した。電源基板の写真を図5に示す。

<strong>図5:ペルチェ駆動基板へ電源を供給する電源基板</strong>
図5:ペルチェ駆動基板へ電源を供給する電源基板[クリックで拡大]

 図5はペルチェ電源を生成する基板で、中央にMB3769Aのスイッチング電源制御ICがあった。このICはDC 15V程度で動作し、FETのゲートに100kHz程度でパルスを送り、トランスを駆動して2次電源を制御するICだ。このIC下の赤丸の小型電解コンデンサーが劣化するとトランスの駆動電力が低下する。友人へ確認したところ、修理時に全ての電解コンデンサーは交換済ということだった。電源基板は大丈夫だろう。

 本題の不具合の原因調査にとりかかった。原因究明で一番の効果があるのは、ペルチェ素子の電圧波形を確認することだ。オシロスコープで電圧波形を確認してもらった。図6に示す。

<strong>図6:オシロスコープで電圧波形を確認</strong>
図6:オシロスコープで電圧波形を確認[クリックで拡大]

 図6左はペルチェの駆動波形だが、正常に駆動できていないことは一目で分かった。プラス側は1.2Vしかない一方、マイナス側は17.6Vだった。マイナス側を駆動するFETがON状態に近いまま動作していた。FETが完全にOFFしない原因は、ゲート電圧の放電に時間がかかるため、電流を切り替えてもHブリッジで貫通電流が発生し、ペルチェ素子のプラス側へ十分な電流が流れていない可能性が考えられた。対策としては、FETを全数点検するとともに、ゲートとソース間に1kΩ程度の抵抗を追加し、放電時間をも早める方法が考えられる。FETのデータシートのスイッチング特性を図7に示す。

<strong>図7:FETのデータシートのスイッチング特性</strong>
図7:FETのデータシートのスイッチング特性[クリックで拡大]

 図7は使用しているFETの電気的特性だ。FETのOFF遅れ時間(toff)はゲート入力を4.7Ωにした時に最大で400ナノ秒だった。1kΩの抵抗ではこの200倍の40マイクロ秒程度になる。しかし、ゲート電圧が下がりFETのON抵抗が増加する可能性もあるため、抵抗値は温調器の性能が維持できることを確認して最終決定する必要がある。最初にペルチェの駆動波形をオシロスコープで確認すれば、この不具合の原因究明は簡単だった

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