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30年前に関わった半導体用温調器、調査で判明した設計の盲点Wired, Weird(4/4 ページ)

修理を指導している友人から、技術支援の依頼があった。聞けば、筆者が30年ほど前、半導体製造装置の業務に従事していた時に関わった温調器に関する問題だったため、少し踏み込んで調べてみることにした。

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設計への疑問は残る、理由は恐らく……

 疑問点だったのは、FETのゲート放電を十分考慮せずにHブリッジでペルチェの駆動回路を設計してしまったことだが、当時は設計技量が低く、Hブリッジ回路を使うノウハウがなかったことが考えられる。『温調器が正常に温度管理できれば良い』程度の設計しかできなかったことが原因と思われた。恐らくHブリッジ回路を使った初めての設計だったのだろう。また、ペルチェ電流の駆動切り替えの頻度は低く、半導体のクリーンルームの室温は安定しているので温調器の温度安定性はあまり問題にはならなかったと思われた。しかし、このままではFETや放熱板はかなり高温になるだろう。

 この温調器は過熱対策でFETの放熱板とペルチェの放熱板に2個のサーモスタットが設置されていた。不具合が発生した時の本質的な原因究明は行わずに、ばんそうこうの様にサーモスタットを貼り付けていたと考えらる。当時この機器のメーカーの技術力はあまり高くなかったことも思い出した。

 30年前の当時のウエハーの線幅は3um程度だった。しかし現在は3nmとなっていて、ウエハーやレジストの温度の管理は非常に厳しくなっている。最新の温調器では、このHブリッジ回路は改善されていると思われる。

 この温調器は顧客での稼働は30年も経過している。既にこの不具合内容はメーカーでは把握し、対策されていると思われる。しかし半導体製造装置の性能に大きく影響するウエハーやケミカルの温度管理の温調器であり、機器の過熱や焼損事故も発生する可能性がある重要で危険な設計ミスだったので、念のため昔の会社へこの不具合情報を提供した。

 蛇足だが、IGBTやFETのゲート入力をオープンにしたら、どういう問題が発生するか、過去に報告したことがあるので、参考にしてほしい。

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