10BASE-T1Sでシンプルな接続性実現 耐量子暗号も備えたMCU:トポロジー検出機能も搭載
NXP Semiconductors(以下、NXP)は、産業機器向けマイクロコントローラー(MCU)の新製品「MCX A5シリーズ」を発表した。10BASE-T1S Ethernetの統合によってシンプルな接続性を実現したほか、トポロジー検出機能によるネットワークの可視化、耐量子暗号(PQC)のセキュリティ性なども備えた。
Arm Cortex-M33ベースのローエンドMCU
NXP Semiconductors(以下、NXP)は2026年8月、産業機器向けマイクロコントローラー(MCU)の新製品「MCX A5シリーズ」を発表した。すでにサンプル出荷を開始している。日本法人のNXPジャパンは同年9月8日、メディア向け説明会を開催して製品の詳細を解説した。
NXPのMCUポートフォリオにおいて、MCXシリーズはローエンド帯の製品に当たる。中でも産業機器向けとして、豊富なバリエーションを持ったメインモデルが「MCX Aシリーズ」だ。新製品のMCX A5シリーズは最大240MHzで動作するArm Cortex-M33ベースのMCUで、最大2MBのECCメモリや最大640KBのSRAMなどを搭載する。
10BASE-T1S EthernetデジタルPHYを統合
産業機器では、さまざまな機器やデバイスとの接続需要が増加している。その際、従来のEthernetは異種通信規格間とのプロトコル変換などでコストがかかるため、システムによっては採用しづらい場合がある。また既存ネットワークでは接続情報が可視化できない、長く使うために将来性を見据えたセキュリティが求められる、などの課題がある。
MCX A5シリーズでは、10BASE-T1S EthernetデジタルPHYを統合。1つのポートで複数機器をつなげる上、上流で使われているプロトコル変換などをそのまま使えるため、よりシンプルかつ低コストに産業用エッジシステムを接続できるという。
10BASE-T1Sでネットワークを可視化したほか、トポロジー検出機能の実装により、ネットワークの自動検出およびマッピングも可能だ。NXPジャパンは「デジタルPHY内蔵の10BASE-T1S Ethernet対応MCUとして、業界で初めて耐量子暗号(PQC)で保護されたトポロジー検出機能を実現した」とする。
セキュリティ面では、PQCベースのハードウェアRoT(Root of Trust)を備えた。暗号化キーや証明書、保存用ストレージ領域なども内蔵するため、本製品を導入するだけで容易にセキュリティ対応できるとする。セキュリティアップデートも可能なため、将来的な最新セキュリティ要件にも対応できる。
NXPのMCU向け無料ソフトウェア開発環境「MCUXpresso」やRustに対応し、15年間の製品供給保証を用意するなど、長期的かつ包括的なサポート体制も備えた。
「ファクトリーオートメーション(FA)やビルディングオートメーション、データセンターなど、ネットワーク化された中でセンサーのデータを取得してモーターを制御したりと、幅広い使い方ができると考えている。PQCのセキュリティ性を備え、アップデートもできるため安心して使うことが可能だ」(NXPジャパン)
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