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EMI

 EMI(Electro-Magnetic Interference)とは、電子機器から放射されるノイズ(雑音)のこと。日本語への直訳は「電磁波妨害」である。しかし、エレクトロニクス業界では、電子機器からの放射電磁雑音そのものを指す言葉として使われるケースが多い。

 EMIは、一種の環境問題である。電子機器から放射されるノイズの強度が高いと、ほかの電子機器の動作や機能に悪影響を与えるからだ。例えば、ラジオの音声に雑音が入ったり、テレビの映像が乱れたりしてしまう。酷いケースでは、産業用ロボットの誤動作を引き起こしたこともある。飛行機の離着陸時に電子機器の使用が禁じられるのも、それらの電子機器から放射されるノイズが飛行機の制御系に悪影響を与える可能性があるからだ。

規制をクリアしなければ製品化できない

図1
図1 EMIの測定例
最大測定周波数が1GHzの場合の測定結果である。赤い実線、もしくは点線が規制値を表しており、これを超えると規制をクリアできない。

 ほかの電子機器に迷惑を掛けないように、電子機器から放射されるノイズには規制が用意されている。つまり、放射ノイズの強度をあるレベル以下に抑えなければ市場に投入することはできない。

 EMI規制の国際標準規格は、国際電気標準会議(IEC:International Electrotechnical Commission)の特別委員会である国際無線障害特別委員会(CISPR)が策定する。世界の各国や各地域では、この国際標準規格などを基に、独自の規格/規制を用意し、運用している。具体的には、米国では「FCC Part15」や「FCC Part16」など、欧州では「EN55013」や「EN55022」など、日本では、「VCCI」や「電気用品安全法」などである。

 最近のEMI規制の動きとして特筆すべきは、規制対象となる周波数の上限値が高まることである。従来は、1GHzが上限値だったが、今後は6GHzに変更される。国内では、2010年10月から適用が始まる予定。ただし、2011年9月末までの1年間は、1GHzを超える適合確認テストの有無を電子機器メーカーが選択できる。従って、本格的な規制のスタートは2011年10月からになりそうだ。

設計段階からの考慮が不可欠

 試作した電子機器の放射ノイズを測定し、規制をクリアできていなければ何らかの対策を打つ必要がある。

 対策方法はいくつかある。代表的なのは、コンデンサやインダクタ、EMIフィルタなどの電子部品を信号配線に挿入する方法や、電磁波吸収シートを貼る方法、金属のシールド(遮蔽)材で覆ってしまう方法などである。

 ただし、これらの対策方法は、必ずしも電子機器に適用できるとは限らない。電子部品は使いたくても実装する場所がなかったり、電磁波吸収シートを貼ると放熱特性が悪化するため使えなかったりするからだ。しかも、仮に適用できたとしても、規制をクリアできる保証はない。多くの場合、「対策を打って測定する」の繰り返しとなる。この結果、EMI対策に費やす期間とコストが増大することになる。

 対処療法的な対策では限界がある。こうした事態を回避するには、「フロント・ローディング」を実践するしかほかに方法はない。つまり、部品選定やプリント基板設計など、開発の早期段階からEMIを考慮しながら作業を進める方法である。しかし、実際のところは、試作後の対処療法的な対策で何とか乗り切っているメーカーが多いのが実情だ。


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提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2013年3月31日

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