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画面にタッチし波形を囲めばトリガーがかかる、200M〜1.5GHzの汎用オシロアジレント InfiniiVision 4000Xシリーズ

アジレント・テクノロジーの「InfiniiVision 4000Xシリーズ」は、リアルタイムサンプリングの汎用オシロスコープの新製品群。アナログ入力の帯域幅が200M〜1.5GHzで異なる品種を用意した。タッチパネルの直感的な操作で、複雑なトリガーを簡単に設定できることが特長だ。

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 アジレント・テクノロジーは2012年11月14日、リアルタイムサンプリングの汎用オシロスコープの新製品群「InfiniiVision(インフィニビジョン) 4000X シリーズ」を発表し、同日付で販売と出荷を開始した。静電容量方式を採用した応答速度の高いタッチスクリーンを搭載しており、画面に表示されている波形をタッチするという直感的な操作でトリガーをかけられることが特長だ。アナログ入力の周波数帯域幅が200M〜1.5GHzで、アナログ入力とデジタル入力それぞれのチャネル数が異なる16機種を用意する。

新シリーズ
InfiniiVision 4000X シリーズ(クリックで画像を拡大)
図1
横浜で開催中の「組込み総合技術展 Embedded Technology 2012(ET2012)」で記者説明会を開催して発表した。その壇上でアジレント・テクノロジー 代表取締役社長の梅島正明氏は、「オシロスコープのユーザーにとって、トリガーは最も基本的だが、最も難しい操作でもあった。今回の“タッチオシロ”でそれを簡単にする。オシロスコープのユーザー体験を一新する機種だといえる」と語った。

 アジレント・テクノロジーは、新シリーズの開発の主眼を「ユーザー体験を一新することに置いた」と説明する。それには3つの要素があるという。すなわち「スピード、ユーザービリティ、インテグレーションだ」(同社)。

 1つ目の「スピード」とは、波形更新速度が100万回/秒と極めて高いことを指す。これは同社独自の専用ASIC「MegaZoom IV」を搭載することで実現している。このASICは、2011年2月に発表した既存機種「InfiniiVision 2000X/3000Xシリーズ」で新たに採用したもので、波形メモリとその管理回路、波形プロット回路、マスク/トリガー回路、ディスプレイに表示するユーザーインタフェース(GUI)制御回路といったオシロスコープの基本的な機能を実現するための回路群が集積されている(参考記事)。

 波形更新速度が高まれば、入力信号の波形を捕捉できない期間(デッドタイムやブラインドタイムと呼ぶ)を短縮することが可能だ。その結果、間欠的に発生する発生頻度の低い波形を短時間で捕捉できる確率が高まる。すなわち、測定対象の不具合原因を短時間で特定できるようになる。

高速
波形更新速度は100万回/秒と高い(クリックで画像を拡大)

 2つ目の要素として掲げる「ユーザービリティ」が新シリーズの最大の目玉である。12.1インチと大型のディスプレイを採用して高い視認性を確保した上、前述のように静電容量方式のタッチスクリーンを搭載し、直感的な操作を可能にした。「タッチスクリーンを搭載したオシロ自体は、既に当社も競合他社も製品化している。ただしそれらは、抵抗膜を用いた感圧方式を採用しており、タッチ操作に対する応答速度が比較的低かった。ストレスの無い高い応答性が得られる静電容量方式の採用は、今回の新シリーズが業界初だ」(同社)と主張する。

 タッチ操作によるトリガーは、画面上でトリガー条件に設定したい領域を囲って指定するだけでよい。これをアジレント社は「ゾーン・タッチ・トリガ」と呼ぶ。指定した領域を波形が通過する場合にトリガーをかけたり、反対に指定した領域を通過しない場合をトリガー条件に設定することも可能だ。

 これまでも同社は、同様の機能を高価格帯のハイエンド機「Infiniiumシリーズ」向けに用意したオプション「InfiniiScan」で提供していたが、ソフトウェアで実装しているため処理速度が低く、波形更新速度は100回/秒を下回る程度にとどまっていたという。これに対し新シリーズは、この機能を標準で搭載する上、ハードウェアで実装しているため20万回/秒と高い波形更新速度が得られる。「競合他社のタッチスクリーン搭載オシロは、感圧方式を採用していることに加えて、タッチ操作によるトリガーをソフトウェアで実装しているため速度が遅く、高い使い勝手を実現できていない」(同社)。

タッチトリガー
直感的なタッチ操作でトリガー条件を簡単に設定できる(クリックで画像を拡大)

 ユーザー体験を一新する3つ目の要素として挙げた「インテグレーション」は、アナログ入力のオシロスコープの他に、4つの機能を統合したことである。具体的には、(1)2チャネル出力の任意波形発生器、(2)16チャネルのデジタル入力を利用したロジックアナライザ機能と、(3)同じくデジタル入力を利用し、USBやI2Cなどのシリアルインタフェースに対応したプロトコルアナライザ機能、(4)3桁のデジタル電圧計を搭載する。これにより、新シリーズを使えば、「一般的なエンジニアの1日のデバッグ作業に1台で全て対応できる」(同社)という。

価格は60万円台から250万円台まで

 新シリーズの価格は、例えば200MHz帯域のアナログ入力を2チャネル備えた「DSOX4022A」が64万2965円、1.5GHz帯域のアナログ入力を4チャネル搭載した「DSOX4154A」が220万5106円、これら2機種にデジタル入力を16チャネル追加した「MSOX4022A」と「MSOX4154A」がそれぞれ96万4459円、252万6670円である(いずれも2012年12月1日時点での税別価格)。

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