測定性能と操作性を向上、ローデのマイクロ波帯ネットワークアナライザ:ローデ・シュワルツ R&S ZNB20/40
「R&S ZNB20/40」はマイクロ波帯のベクトルネットワークアナライザである。ダイナミックレンジは135dBと広く、測定スピードは最高5ms(401ポイント測定)と速い。測定の基本性能を向上させたことに加えて、小型軽量化や操作性の向上も図っている。
ローデ・シュワルツ・ジャパンは2013年5月、ダイナミックレンジが135dBと広く、測定スピードも最高5msと速いマイクロ波帯のベクトルネットワークアナライザ「R&S ZNB20/40」を発売した。測定の基本性能を向上させたことに加えて、小型軽量化や操作性の向上も図った。本体価格は643万2000円(税別)より。
新製品は、ベクトルネットワークアナライザ「R&S ZNBシリーズ」のマイクロ波帯モデルとなる。周波数のカバー範囲が10MHz〜40GHzの「R&S ZNB40」と、100kHz〜20GHzの「R&S ZNB20」の2製品を用意した。特に、マイクロ波帯のネットワークアナライザではこれまで、下限周波数が300kHz程度であったが、R&S ZNB20は100kHzから掃引することができる。
また、両機種とも測定の基本性能を高めている。ダイナミックレンジは135dBを実現した。同等クラスの他社製品は120dBであり、これに比べると15dB広い。このため、被測定物の特性をより高い精度で評価できる。測定スピードは最高5ms(401ポイント測定)を実現した。これによって、測定時間を短縮することができ、測定作業の効率を高めることが可能となる。ポート出力パワーはR&S ZNB40で+15dBm(代表値)、R&S ZNB20は+14dBm(代表値)を実現し、パワー掃引レンジは70dBを超えている。
筐体の形状や操作性も改善した。外形寸法は461×240×351mmと小型だが、画面サイズは12.1型でWXGA対応のタッチスクリーンディスプレイを搭載している。これによって、ドラッグ&ドロップによりトレースを追加したり、好きな位置にトレースを配置したりすることを容易に行うことができる。さらに、ネットワークアナライザをさほど利用したことがない技術者でも、「内蔵されたウィザード機能により、表示された画面に従って、周波数範囲や測定ポイントを設定すれば、R&S ZNB20/40を使いこなすことができる」という。しかも、重さは14kg、消費電力は130Wとするなど、それぞれ従来の同等製品と比べて約半分に抑えた。
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