Solution-Edgeの“秘密兵器”「SE SPIDER-01」――メーカーの壁を越えた真のコラボレーションを実現:ソリューションコラム第7回
エンジニアの悩みを解決する「Solution-Edge」がいよいよハードウェアを作ります!ルネサス エレクトロニクス、アナログ・デバイセズと両社の製品を使った開発の手間を画期的に軽減する“秘密兵器”のリリースが決定しました!
「Solution-Edge」は、ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)とアナログ・デバイセズという2つのリーディングカンパニーが「デジタルとアナログをつなぐコンテンツを提供することを目的」に協働活動してきました。これまでも、読者、会員ユーザーの皆さんに、両社の製品を組み合わせたシステムブロック図などを紹介する「アプリケーションコンテンツ」を100コンテンツ以上、提供してきました。
アプリケーションコンテンツでは、分野/用途、回路構成に合わせて、両社の推奨デバイスを同時に閲覧、選択検討できる『利便性』を提供しています。しかし、アプリケーションコンテンツの情報を基に、実際にシステムを開発された方はお気付きでしょうが、実は残念ながらコンテンツ通りのシステムを作ることは、「そんなに簡単ではない」のです。
結局、手間がかかった
その顕著な例が「Solution-Edgeを見て、ルネサスからマイコンの開発評価ボードを、アナログ・デバイセズからA/Dコンバータの開発評価ボードを取り寄せたけど、どうやって接続するの?」ということです。Solution-Edge上では、いとも簡単につながっている回路図も、実際に再現しようとすると、両社の評価ボード同士をジャンパー線で結ぶなど、細かい作業が必要で、結局のところ「非常に面倒」です。Solution-Edgeをご覧いただいている皆さんの中には、「Solution-Edgeがあろうがなかろうが、結局、開発の手間は変わらない。Solution-Edgeのコンテンツはしょせん、『絵に描いた餅』。協働だ、コラボレーションだ、なんて言うけれど結局Solution-Edgeだって、メーカー同士の壁は超えてない」と、思われていた方がいらっしゃったかも知れません……。
しかし! これからは、Solution-Edgeを、『絵に描いた餅』とは呼ばせません!! 机上の検討から次のステップ、試作/実機評価でもお役に立ちます! ルネサスとアナログ・デバイセズ、両社の製品のコラボレーションを簡単に実現するSolution-Edgeの“秘密兵器”をご用意致しました!
その名は「インターポーザボード/SE SPIDER-01」です!!
インターポーザボードという名の通り、ボードとボードを接続する「中継基板」です。
「なんだよ、それだけかよ」とお思いかも知れませんが、このSE SPIDER-01が1枚あるだけで、開発の手間は劇的に改善されるのです!
作りたくても作れなかった……『夢のボード』
システム開発の初期には、それぞれのデバイスが、使えるデバイスかどうかのみならず、各デバイス同士が意図した連携動作を行えるかなどの検証を含む総合的な「デバイスの評価」が必要です。このデバイスの評価では、各デバイスメーカーから評価用ボードを手に入れ、動作具合をチェックします。しかし、複数のメーカーにわたるデバイス同士の連携動作を検証するには、ご存じのようにいろいろな手間が必要になります。各デバイスメーカーの評価ボードは、あまり他社のボードと接続することを前提に開発されていないので、検討の初期段階では、評価ボード同士をジャンパー線で配線するしか方法がないケースがほとんどです。
こうしたジャンパー線での接続は、配線に時間がかかりますし、評価環境としても良い環境とは言えません。長いジャンパー線はアンテナとなり、ノイズが乗り、ノイズを出します。それらは正確な評価を阻害しますし、触れたり動かしただけで切れたり信号が不安定になったりで、そうした対策に時間がとられてしまいます。特に、マイコンと高速/高分解能コンバータのボード接続などでこのような苦労をされている方は多いと思います。
インターポーザボード/SE SPIDER-01は、これらの苦労を一掃し、メーカーの壁も超えた、「ありそうでなかった」、いや、「作りたくても作れなかった」ある種『夢のボード』なのです。従来、異なるデバイスメーカーの製品をつなぐことは、互いの利害関係もあり、なかなか実現されることはありませんでした。だが、Solution-Edgeを通じ、ルネサスとアナログ・デバイセズが『協働』し、数々の大人の事情(お察しください)を乗り越えて、ようやく実現に至ったのです!
SE SPIDER-01は、名のごとく“クモ”のように、ルネサスとアナログ・デバイセズがそれぞれ持つ多種多様な評価ボードをできるだけ多く、接続できるようにさまざまなインタフェース/コネクタを備えています。ルネサスのマイコン評価ボードシリーズ「Renesas Starter Kits」(RSK)、「RSK+」と接続可能なコネクタや、アナログ・デバイセズの評価ボードシリーズ「システム・デモンストレーション・プラットフォーム(SDP)シリーズ」のシリアルインタフェース対応品を接続できるコネクタを備えています。この2つのインタフェースを持つだけでも、物理的にRSK/RSK+でRX63N、RL78/G13の評価ボード、SDPシリーズで約80種類のボードが接続でき、多彩なデバイスの開発評価が簡単に行えるようになります。
SE SPIDER-01はRSK/RSK+やSDPに対応した評価ボード以外にも、さまざまなインタフェース/コネクタも備え、RSK/RSK+やSDPシリーズ以外のルネサス、アナログ・デバイセズ両社の評価ボード、さらにはサードパーティ製評価ボードを接続できる仕様となっています。これらのインタフェース以外にも、SE SPIDER-01にはユニバーサル基板スペースがあり、ユーザーは追加のスイッチや治具を実装するなどの簡単なカスタマイズが行えるような拡張性も持たせてあります。
充実したサポートも提供
Solution-Edgeでは、単にSE SPIDER-01インターポーザボードを提供するだけにとどまりません。ルネサス、アナログ・デバイセズの真のコラボレーションを実現するSE SPIDER-01ですので、両社が『協働』して、しっかりとしたサポートも提供します。
1つは、インターポーザを介してボード同士が正常につながることを両社で検証し、安心して評価が行える環境をご提供します。検証を終えた評価ボードの組み合わせなどは、SE SPIDER-01対応評価ボードとして、Solution-Edgeで随時、紹介していきます。
さらに、マイコンとコンバータなどの連携動作確認で必須となる開発評価用プログラムの検証済みサンプルコードも、Solution-Edge会員の皆さんに無償配布できるようにします。半導体メーカー各社で“閉じた”環境ではなく、ルネサスMCUとアナログ・デバイセズコンバータ製品という、実アプリケーションに即応した評価環境がすぐに整います。これらのサポート以外にも、さまざまなご質問、お問い合わせにも応えられるサポートチームもあり、万全の開発支援サポートを提供していきます。
正式リリースは8月
さて、デバイスの評価を画期的に短縮するSE SPIDER-01の提供時期ですが、一刻も早くユーザーの皆さんにお届けしたいと思いますが、現在はまだ試作段階。ボードの接続検証などを急ピッチで実施している状況です。現在の計画では、8月末ごろに、正式リリースする予定です。現在、別表の評価ボードがSE SPIDER-01対応評価ボードとしてサポートできるよう検証作業を進めています。予定通り、検証を進めれば、ルネサスの「RL78ファミリ」「RXファミリ」といったマイコンと、アナログ・デバイセズの逐次比較型A/Dコンバータ製品群「PulSARシリーズ」の17品種との連携評価が行えるようになる見込みです。その後も、検証作業を続け、2013年秋ごろには、アナログ・デバイセズのSDP対応評価ボード約80ボードのうち約60ボードと、ルネサスの評価ボードRSK/RSK+の動作検証を終える計画となっています。
【8月リリース時点のSE SPIDER-01対応評価ボード一覧】
ルネサス エレクトロニクス製品
評価ボード
Renesas Starter Kit for RL78/G13
Renesas Starter Kit+ for RX63N
評価できる主なデバイス
RL78/G13
RX63N
RX631
アナログ・デバイセズ製品
評価ボード
EVAL-AD7982SDZ EVAL-AD7980SDZ EVAL-AD7693SDZ EVAL-AD7685SDZ
評価できる主なデバイス
AD7988-5 AD7988-1 AD7984 AD7983 AD7982 AD7980 AD7946 AD7694 AD7693 AD7691 AD7690 AD7686 AD7685 AD7688 AD7687 AD7684 AD7683
その後も、さまざまなSE SPIDER-01の応用ができるよういろいろな計画を練っています。計画が固まり次第、Solution-Edgeを通じて紹介していきますので、どうぞご期待ください!
提供:ルネサス エレクトロニクス株式会社 / アナログ・デバイセズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2014年5月31日
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