コンパレータ
コンパレータとは、入力された二つの信号を比較し、どちらが大きいかによって出力信号が切り替わる電子回路のこと。日本語では比較器と呼ぶ。さまざまな半導体メーカーからコンパレータICが製品化されており、選択肢が非常に多い製品である。
負帰還をかけないため高速動作が可能
通常は、オペアンプを基本回路とし、それにいくつかの改良を加えることでコンパレータとしている。
改良の具体例をいくつか挙げよう。一つめは、負帰還をかけずに使用している点だ。つまり、位相補償回路は不要である。従って、一般的なオペアンプを使ってコンパレータを組んだ場合に比べて、高速な動作(短い伝搬遅延時間)が得られるというメリットがある。
二つめはさらに、デジタル回路との接続を想定して出力の信号形式が設定されている点である。TTL/CMOSレベルやオープン・コレクタ、プッシュプルなどの形式を採用しているケースが多い。
三つめは、出力信号が短時間に「ハイ」と「ロー」との間を行き来するチャタリングと呼ぶ現象を防止する機能を設けている点だ。いわゆるヒステリシス機能である。この機能があれば、例えばハイからローに切り替わったとき、ノイズ(雑音)が入力されても一定の期間、出力が切り替わらない。このため、チャタリングを防止できる。
速度と消費電力はトレードオフの関係
コンパレータを選択する上で、最も注意すべき点は、速度(伝搬遅延時間)である。伝搬遅延時間が短ければ短いほど、高速なコンパレータと言える。一般に1nsを切れば、かなり高速な製品である。
ただし、高速動作と消費電力との間にはトレードオフの関係があるため注意が必要だ。伝搬遅延時間が短いコンパレータは消費電力が大きく、伝搬遅延時間が長いコンパレータは消費電力が小さくなる傾向にある。このため、アプリケーションの特性に合わせて最適な製品を選ぶ必要があるだろう。
消費電力が低いコンパレータの例としては、テキサス・インスツルメンツ(TI)の「TLV3201」がある。消費電流は40μAと非常に小さい。伝搬遅延時間は40nsである。出力形式はプッシュプル。電源電圧は+2.7〜5.5Vである。高速なコンパレータとしては、TIの「LMH7322」がある。コンパレータ回路を二つ集積したデュアル品で、伝搬遅延時間は700psと極めて短い。ただし、消費電流は15mAと若干大きくなる。出力形式はRSPECL。電源電圧は+2.7〜12Vである。
提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2014年3月31日
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