ノイズ耐性や高温耐性を向上、家電機器や産業機器向け16ビットマイコン:ラピスセミコンダクタ ML620150ファミリ
ラピスセミコンダクタの「ML620150」ファミリは、低消費電力の16ビットマイコンである。炊飯器やホームベーカリなどの家電機器やノイズ耐性が求められる産業機器などの用途に向ける。
ロームグループのラピスセミコンダクタは2014年11月、低消費電力の16ビットマイコン「ML620150」ファミリを開発、サンプル出荷を始めた。炊飯器やホームベーカリなどの家電機器やノイズ耐性が求められる産業機器などの用途に向ける。
ML620150ファミリは、独自のRISCコア「nX-U16/100」を搭載した低消費電力マイコンである。動作周波数は32.768kHZ〜8.192MHzで、電源電圧は1.8〜5.5Vである。低消費電力設計に加えて、ノイズ耐性を高めた。IEC61000-4-2ノイズテストにおいて、±30kVを達成するなど、クラス4(±8kV)を超えている。マイコン自体のノイズ耐性を高めたことから、ノイズ対策のための設計負荷を軽減することも可能だ。動作温度範囲は−40〜105℃で、調理家電機器や産業機器など、高温環境での使用にも対応することができる。
ML620150ファミリは、メモリ容量(フラッシュROM)が32kバイト品、48kバイト品、64kバイト品の3種類があり、パッケージは48端子P-TQFP、52端子P-TQFP、64端子P-QFPおよび64端子TQFPを用意している。さらに、オートリロードタイマ機能やソフトウェアトリガ/外部トリガによるスタート・ストップ機能など、PWM(ハルス幅変調)制御に有効となるタイマ機能が用意されており、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)の制御も容易に行うことができる。
サンプル価格(税別)は、メモリ容量が32kバイトの48端子パッケージ品「ML620Q151」で100円より。量産出荷は2015年3月の予定。
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