ミッドレンジのRFテストとVSGの機能を両立した新RF信号発生器:テクトロニクス TSG4100Aシリーズ
テクトロニクスは、ベクトル信号発生器(VSG)の機能を備え、ミッドレンジのRFテストにも利用できるRF信号発生器の新製品「TSG4100Aシリーズ」を発表した。
テクトロニクスは2015年3月、RF信号発生器の新製品「TSG4100Aシリーズ」を発表した。一般的なRF信号発生器と同程度の価格でありながら、ベクトル信号発生器(VSG)の機能を装備し、ミッドレンジのRFテストにも利用できるという。
温度安定度±0.002ppm未満、エージング安定度±0.05ppm未満
TSG4100Aシリーズは、キャリア周波数DC〜2.0GHz、4.0GHz、6.0GHzの3機種を用意した。位相ノイズは−113dBc/Hz(1GHz時)、振幅確度は±0.4dB未満(1GHz時)、周波数分解能は全周波数範囲で1μHzとなる。温度制御された水晶発振子による安定したタイムベースにより、±0.002ppm未満の温度安定度と±0.05ppm未満のエージング安定度を可能にした。
変調モードは、振幅変調(AM)、周波数変調(FM)、位相変調(ΦM)、パルス変調を備えた。他に、外部変調入力も対応した柔軟な設計となっている。
さらに本体は、VSGアプリケーション・サポート用にソフトウェア・アップグレードが可能。400MHz〜6.0GHzのRFキャリアのフル・ベクトル信号変調をサポートし、ベースバンド信号生成では125MHz・2chの任意波形ジェネレータ機能を内蔵した。ASK、QPSK、DQPSK、π/4 DQPSK、8PSK、FSK、CPM、QAM(4〜256)、8VSB、16VSBなどのベクトル変調方式を備えている。
デジタル通信で帯域制限のために使用される標準のパルス形状フィルタとして、レイズド・コサイン、ルート・レイズド・コサイン、ガウシアン、方形波、三角波などを用意。後部パネルには、BNCによるI/Q入力、外部IQ信号による任意ベクトル変調をサポートしている。
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