車載向け次世代グラフィックスコントローラー:ソシオネクスト SC1701シリーズ
ソシオネクストは、車載リモートディスプレイに対応する、第3世代の高性能グラフィックスディスプレイコントローラー「SC1701」シリーズを発表した。車載ディスプレイ向けに、4K解像度やDeep Color処理などのグラフィックス機能を強化した。
4K解像度やDeep Color処理などのグラフィックス機能を強化
ソシオネクストは2018年1月、車載リモートディスプレイに対応する、第3世代の高性能グラフィックスディスプレイコントローラー「SC1701」シリーズを発表した。車載ディスプレイ向けに、4K解像度やDeep Color処理などのグラフィックス機能を強化した。エンジニアリングサンプルを2018年第3四半期に提供を開始する。
高速ビデオや12Gビット/秒(bps)までのデータ接続をサポートし、1台の4Kまたは2台のFull HD(2K)ディスプレイを30ビット/ピクセル(bpp)で処理する。TCON(Timing Controller)機能を搭載しており、TCON非搭載のディスプレイを2台まで駆動できる。また、単独のリンクで2つの異なるビデオストリームを受信し、このビデオストリームを2台のディスプレイに表示できる。
圧縮方式にVESA DSCを採用し、非圧縮で最大9.6Gbps、圧縮時で最大28Gbpsの動画をサポートする。HDCP暗号技術によるビデオコンテンツ保護技術を内蔵しており、高付加価値なコンテンツの利用が可能になるという。
グラフィックスエンジンとして同社の「SEERIS」を搭載しており、全パイプラインにわたってDeep Color(30bpp)での2Dレンダリングが可能になった。また、MII(Media Independent Interface)/イーサネットインタフェースにより、双方向通信に対応。APIX3プロトコルの機能を最大限に活用でき、イーサネット接続カメラおよび直接接続したタッチコントローラーからのビデオや補助入力データをセンターユニット、ヘッドユニットにストリームできる。
自動車業界の機能安全にも対応し、基準を満たすために必要な診断機能、マルチウィンドウシグネチャユニット、ピクチャーフリーズ検出、マルチレベルCRCチェックなどの安全機能を実装した。不正アクセスに対する保護のため、セキュリティ機能とデータの完全性も強化している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 4K/60p解像度に対応したHEVC/H.265コーデック
ソシオネクストは、4K/60pの解像度に対応したHEVC/H.265コーデックLSI「SC2M50」を開発した。YUV4:2:2フォーマット10ビット入出力を備え、プロフェッショナル向け映像機器に対応する。 - 2D GPUと最大32MバイトのDDR2メモリ内蔵MCU
マイクロチップ・テクノロジーは、2D GPUと最大32MバイトのDDR2メモリを内蔵した32ビットマイコン「PIC32MZ DA」ファミリーを発表した。DDR2メモリを内蔵したことで、スループットが2倍に向上した。 - 車載規格準拠のBluetooth 5対応ワイヤレスMCU
NXPセミコンダクターズは、車載規格に準拠したBluetooth 5対応ワイヤレスマイクロコントローラ(MCU)「Kinetics KW35/同36」ファミリーを発表した。車の開錠や鍵のリモートシェアリングなどの機能が、スマートフォンによって制御可能になる。 - AEC-Q100に適合した車載向けBLE SoC
Nordic Semiconductorは、コネクテッドカーのワイヤレス給電に対応するSoC「nRF51824」の提供を開始した。車載用集積回路向けのストレス信頼性試験「AEC-Q100」を通過している。 - MIPI-CSI2インタフェース内蔵のビデオデコーダー
インターシルは、車載アラウンドビューシステム向けに、MIPI-CS12インタフェースを内蔵した4チャンネルビデオデコーダー「ISL79985」と、ラインインタリーブBT.656インタフェースを備えた「ISL79986」を発表した。 - ビデオインターフェース最前線
地上放送などに代表されるコンテンツのデジタル化に伴い、ビデオインターフェースのデジタル化が進んでいる。このデジタルビデオインターフェースのデファクトスタンダードを狙い、HDMI、DisplayPortなどの規格が争っている。これらの規格の特徴とそれぞれが抱える課題をまとめることで、次期ビデオインターフェースでいずれの規格が主導権を握るのか占ってみたい。