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低抵抗測定で熱電対による雑音を取り除くDesign Ideas 計測とテスト(2/2 ページ)

小さな電圧または低いインピーダンスを測ろうとするとき、熱による起電力は読み取り誤差となることが多い。そこで、本稿では測定結果から熱器電力による誤差を排除する計測手法を紹介する。

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異なる位相で計測した測定値から熱起電力を相殺

 図1と図2には、異なる位相での電流の流れを示した。位相1(正相)では、励起電流はIOUT1から流れ出し、RLOWを通り、さらにQ2からRREFを通って接地に流れる(図1)。位相2(逆相)では、励起電流はIOUT2から流れ出し、RLOWを通り、さらにQ1からRREFを通って接地に流れる(図2)。


図2:低い抵抗値を有する抵抗器の測定回路 (クリックで拡大)
励起電流は抵抗器RLOWの下から上へと流れる。

 位相1では、

である。続いて電流源を切り替えた位相2では、

である。ソフトウェアで2つの測定値を組み合わせると、熱起電力を相殺でき、

 が得られる。

 最後に、この相対比較測定値を絶対測定値に変換する必要がある。そのために、「未知」の相対比較用基準電圧を用いて、既知の電圧を測定する。未知の基準に基づいてこの既知の電圧を読み取れば、未知の基準電圧を推定でき、ピンAIN1およびAIN2上の電位差VDIFFの絶対値を推定できる。

 ADR420のような基準電圧源を用いれば、2.048Vという既知の電圧を供給できる。これを差動入力のもう1つのペアAIN3およびAIN4に接続し、24ビットA-D変換器のメインチャンネルに導く。

Design Ideas〜回路設計アイデア集

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【パワー関連と電源】:ノイズの低減手法、保護回路など

【ディスプレイとドライバー】:LEDの制御、活用法など

【計測とテスト】:簡易テスターの設計例、旧式の計測装置の有効な活用法など

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※本記事は、2008年7月29日にEDN Japan臨時増刊として発刊した「珠玉の電気回路200選」に掲載されたものです。著者の所属や社名、部品の品番などは掲載当時の情報ですので、あらかじめご了承ください。
「珠玉の電気回路200選」:EDN Japanの回路アイデア寄稿コラム「Design Ideas」を1冊にまとめたもの。2001〜2008年に掲載された記事から200本を厳選し、5つのカテゴリーに分けて収録した。

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