ニュース
RAMPS向けモータードライバ評価ボード:STマイクロ EVALSP820-XS
STマイクロエレクトロニクスは、オープンソースの3Dプリンタ制御基板「RAMPS」向けに、モータードライバ評価ボード「EVALSP820-XS」を発表した。同社のモータードライバ「STSPIN820」を搭載する。
2分の1から256分の1分解能のマイクロステッピングモード
STマイクロエレクトロニクスは2018年6月、オープンソースの3Dプリンタ制御基板「RAMPS(RepRap Arduino Mega Pololu Shield)」向けに、モータードライバ評価ボード「EVALSP820-XS」を発表した。同社のモータードライバ「STSPIN820」を搭載する。価格は6.90米ドル。
EVALSP820-XSは、RAMPSプリンタを高速で駆動でき、スループットの大幅な向上が可能になる。また、2分の1から256分の1分解能のマイクロステッピングモードで制御できる。
搭載するSTSPIN820は、産業機器向けの高速モーター制御用入力回路とアルゴリズムに加え、1.5rmsの出力段を集積する。他に、減電圧ロックアウト、過電流保護、サーマルシャットダウン、短絡保護などの保護機能を内蔵し、産業機器に必要となる堅牢性を提供する。動作電圧は7〜45Vで、4×4mmのQFNパッケージを採用している。
同評価ボードを使用することで、熱溶解積層方式(FFF)の3Dプリンタを試作や交換部品の作製、教育用として使用できる。3Dプリンタ以外にも、医療機器やロボット、ATM、POS端末などのステッピングモーター制御を開発する際に利用できるとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- モーター制御の設計を迅速、簡略化するSDK
STマイクロエレクトロニクスは、32ビットマイクロコントローラー「STM32」向けに、モーター制御の設計を迅速、簡略化するソフトウェア開発キット「STM32 PMSM FOC SDK v5.0(X-CUBE-MCSDK)」を発表した。 - DCモーターの性能線図を理解して高効率駆動について考えてみよう
今回は、ブラシ付きDCモーターの特長と性能線図を解説していこう。重要なポイントを押さえながら、誘起電圧の与える影響を理解し、高効率駆動のための印加電圧位相を考えよう。 - 小型面実装パッケージの正弦波電流ドライバーIC
東芝デバイス&ストレージは、家電、産業機器向けに、小型の面実装パッケージを採用した三相ブラシレスファンモーター用正弦波電流ドライバーIC「TB67B000FG」を発表した。リフロー実装に対応した小型36ピンHSSOPパッケージを用いている。 - 脱調を防止できるステッピングモーター駆動IC
東芝は、モーターの負荷トルクに応じて電流を最適化するAGC技術を用いたステッピングモータードライバー「TB67S289FTG」を発表した。ステッピングモーター特有の脱調現象を防止し、安定的で高効率なモーター制御を可能にした。 - 中国の最新市場動向から誘導モーターの高効率化について考えよう
ここまでの3回を通して、モーターの駆動原理、高効率・長寿命を実現できるブラシレスDCモーターの高効率駆動、最も普及しているブラシ付きDCモーターの性能線図を元に、高効率駆動を実現するためには印加電圧位相を考慮する必要があることを解説した。4回目となる今回は、筆者が赴任している中国の市場動向を交えながら中国で多く使われている誘導モーターの動作原理・高効率駆動について解説する。 - 放熱板に触れても大丈夫? 危険なモータードライバーの修理(1)
今回は、モータードライバーの修理の様子をお伝えする。電源の電解コンデンサーを交換すれば良い内容の修理だったのだが、思いもかけないちょっと危険な構造の電源だったために落とし穴にはまってしまったのだった……。