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高耐圧起動回路内蔵のLLC電流共振用制御IC:新電元工業 MCZ5211ST
新電元工業は、高周波対応で耐圧600Vの起動回路を内蔵した、LLC電流共振用制御IC「MCZ5211ST」を発売した。高耐圧起動回路と低耐圧制御回路を1チップに内蔵しており、起動回路を外付けせずに待機電力を抑えられる。
高周波対応で電源を小型化
新電元工業は2018年7月、高周波対応で耐圧600Vの起動回路を内蔵した、LLC電流共振用制御IC「MCZ5211ST」を発売した。各種ドキュメント機器、オーディオ機器、薄型テレビ、LED照明、産業機器などの電源用途を見込む。
MCZ5211STは、高耐圧起動回路と低耐圧制御回路を1チップに内蔵しており、起動回路を外付けせずに待機電力を抑えられる。制御回路の電源供給端子の耐圧は35Vだ。また、過電流保護の入力電圧依存補正機能を備える。
独自の非対称制御方式により数ワットの軽負荷時や待機時の電源効率を改善する、アクティブスタンバイ機能およびバースト機能を搭載。これにより補助電源の削減が可能になった。
その他、各種保護機能により、少ない部品点数で電源回路を構成できる。さらに、定常動作周波数を500kHzまで上げて高周波対応することができ、電源の小型化に貢献する。動作温度範囲は−20〜120℃。SOP18パッケージで供給される。
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