エンベッドビジョンシステム向け開発キット:アヴネット UltraZed-EVスターターキット
アヴネットは、「UltraZed-EVシステムオンモジュール(SOM)」と「キャリアカード」をセットにした「UltraZed-EVスターターキット」を発表した。
エンベッドビジョンシステムの開発に適したキット
アヴネットは2018年8月、「UltraZed-EVシステムオンモジュール(SOM)」と「キャリアカード」をセットにした「UltraZed-EVスターターキット」を発表した。価格は1595米ドルとなる。
UltraZed-EVスターターキットは、XilinxのZynqUltraScale+ MPSoC EVデバイスファミリーをベースとした、拡張性と柔軟性に優れるZedboardポートフォリオの新製品だ。Zedboard製品群には、MicroZed、PicoZed、UltraZed、MiniZedがあり、利用アプリケーションとしてエンベッドビジョン、IoT(モノのインターネット)、産業IoT、音声処理、ソフトウェア無線が含まれる。特に、UltraZed-EVには遅延を低減するUltraRam、PLトランシーバーが含まれており、ビデオアプリケーション向けに最適化されている。
UltraZed-EV SOMは、オンボードデュアルシステムメモリ、高速トランシーバー、イーサネット、USB、コンフィギュレーションメモリを搭載。Zynq UltraScale+ MPSoC EVには、H.264、H.265ビデオコーデックユニットが統合されており、同時に最大4K×2K(60フレーム/秒)までをエンコード、デコードできる。
UltraZed-EVキャリアカードは、2つの200ピンマイクロヘッダをUltraZed-EV SOMに結合し、UltraZed-EV PL I/OとトランシーバーをLVDSタッチパネル、SFP+などのインタフェース、各種スイッチ、LED、システムモニター(SYSMON)などに接続する。また、120ピンマイクロヘッダで、UltraZed-EV SOMプロセッシングシステム(PS)MIO、GTRトランシーバーピン、USBやTri-Ethernetインタフェースにアクセスする。
同スターターキットは、スマートビジョン、グラフィックオーバーレイ、自動車先進運転支援システムなどのアプリケーション開発に適しており、組み込みビデオプロセッシングシステムの試作過程と評価のためのプラットフォームとして、開発者を支援する。
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