ちょっと珍しいトランスで帰還したRCC電源の修理【前編】:Wired, Weird(2/2 ページ)
珍しい電源の修理依頼があった。紙エポキシ基板を使ったかなり古い電源で、基本的にはRCC方式(自励式フライバックコンバーター)の電源だが電圧の帰還がトランスで行われていた。今回は、初期のRCC電源の修理を報告する。
一次側の電解コンデンサーの容量抜けか?
不具合情報は『動作しない』ということだった。AC100Vを印加するとDC5VとDC12Vが出力された。RCC電源は動作しているしDC出力も出ていた。しかし100mA程度の負荷をかけるとDC5VもDC12Vも出力が下がった。この結果から一次側の電解コンデンサーの容量抜けと考えられる。主要なコンデンサーの容量を実装したままで測定しみた。図3に示す。
AC電源入力の電解コンデンサーの容量は170μF程度で表示値の−10%程度だった。これなら問題ない。しかし出力はなぜか5V出力のC55が測定できなかった。単なる測定ミスかと思った。どうやら二次側へのフィードバック回路に問題がありそうだ。試しに基板に左上のボリュームを回したが出力電圧は変更できなかった。これでやっと問題解決の糸口が見つかった。ボリュームと接続された部品を確認すれば原因が分りそうだ。基板のハンダ面に実装された部品のメモを入れて回路の接続を追いかけた。
マークが切れた怪しい抵抗が……
基板のハンダ面の写真を図4に示す。
図4でボリューム(赤丸)の端子のパターンを追いかけると他方がコンパレーターの電源に接続された抵抗(赤四角)が見つかった。この抵抗器(R59)周辺の部品面を図5に示す。
図5に赤四角で示したR59のカラーコードは茶黒赤赤で102×102の10.2kΩと読めた。しかし、よく見ると黒のマークが切れており、少し怪しい。テスターで抵抗を測定してみたら、なんと断線していた。やっと不良部品が見つかった。
しかし、なぜこの抵抗が断線したのだろう。抵抗を基板から外してみると原因が分った。
次回に電源不良の原因と修理の結果を報告する。
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