AC電力メーター関連規格に準拠した評価ボード:STマイクロ EVALSTPM-3PHISO
STマイクロエレクトロニクスは、電力メーター用評価ボード「EVALSTPM-3PHISO」を発表した。電力やガス、水道メーターに加えて、電気自動車の充電、サーバ、太陽光発電システム用インバーターなどの用途を見込む。
STマイクロエレクトロニクスは2021年2月、電力メーター用評価ボード「EVALSTPM-3PHISO」を発表した。同社のWebサイトや販売代理店で既に販売していて、価格は約118米ドルになっている。
同製品は、電力モニター用IC「STPMS2」とデジタルアイソレーターIC「STISO621」を搭載する。同社のマイクロコントローラー「STM32」でファームウェアを実行することで、6つのビットストリームを24ビットの電圧値および電流値に変換し、計測や電力特性データを200マイクロ秒ごとに演算をする。
AC電力メーターに関する規格に準拠
STPMS2は、2チャンネル24ビットの2次ΔΣ(デルタシグマ)モジュレーターで、オンボード分圧器とシャント電流センサーを用いて各相の電圧と電流を測定。また、マイクロコントローラーによる同期4MHzクロックを用いて信号をオーバーサンプリングし、電圧および電流のデルタシグマビットストリームを1つの信号として単一のピンに出力する。
STISO621は、6kVのガルバニック絶縁技術を用い、さまざまな産業機器の絶縁型ドメイン間でデータを転送できる。独立した2つのチャンネルを内蔵し、ノイズ耐性に優れるとともにパルスの歪みを3ナノ秒未満に抑えた。データレートは最大100Mビット/秒、インパルス耐電圧(VIOTM)は6000V、繰り返し絶縁電圧(VIORM)は最大1200Vだ。
AC電力メーターに関する規格「EN 50470-x」「IEC 62053-2x」「ANSI12.2x」に準拠。3相有効電力や皮相電力測定に関する「IEC62053-22 Class 0.5」、3相無効電力測定に関する「IEC 62053-21 Class 1」の測定精度を有する。
電力やガス、水道メーターに加えて電気自動車の充電、サーバ、太陽光発電システム用インバーターなどの用途を見込む。
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