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O-RAN準拠のASICベース5G無線プラットフォーム:アナログ・デバイセズ 5G無線プラットフォーム
アナログ・デバイセズは、O-RAN準拠の5G無線ユニット向けASICベース無線プラットフォームを発表した。ベースバンドASICや次世代トランシーバー、信号処理、電源などが組み込まれており、5G O-RANエコシステムの開発に貢献する。
アナログ・デバイセズは2021年3月、O-RAN準拠の5G無線ユニット向けASICベース無線プラットフォームを発表した。ベースバンドASICやソフトウェアトランシーバー、信号処理、電源などO-RAN準拠の5G無線ユニット開発に必要な機能が組み込まれており、5G O-RANエコシステムの開発に貢献する。
Low-PHYベースバンドASICと次世代トランシーバーを統合
Low-PHYベースバンドASICは、LTE、5G、NB-IoTをサポートし、O-RAN 7.2xに準拠している。IEEE1588 Precision Time Protocolにも対応し、eCPRIインタフェースを備える。
次世代トランシーバーはデジタルフロントエンド(DFE)を備え、GaNパワーアンプ向けデジタルプリディストーション(DPD)、クレストファクタリダクション(CFR)、チャンネルデジタルアップコンバーター(DUC)およびダウンコンバーター(DDC)機能を実装している。
O-RANエコシステムは、オープン規格を使って従来のネットワークを再構築し、より高い柔軟性と機能をキャリアネットワークに追加できる。同プラットフォームは性能向上とフォームファクタの小型化、開発期間の短縮、消費電力とコストの削減により、O-RANエコシステムの普及に貢献する。
同社では、2021年後半に技術評価用プラットフォームの提供を予定している。
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