遠距離通信が可能な資材管理向けアクティブタグ:凸版印刷 ZETag、ZETagDRIVE
凸版印刷は、遠距離通信が可能な資材管理向けアクティブタグ「ZETag」と、100万個以上のZETagの位置情報を管理できるクラウド型システムプラットフォーム「ZETagDRIVE」を発表した。物流における資材管理業務の効率化を支援する。
凸版印刷は2021年10月、遠距離通信が可能な資材管理向けアクティブタグ「ZETag(ゼタグ)」と、ZETagの位置情報を管理するクラウド型システムプラットフォーム「ZETagDRIVE(ゼタグ・ドライブ)」を発表した。
ZETagは、LPWAの新興規格「ZETA」のプロトコルを用いており、500〜2000mの距離から基地局と通信できる(距離は通信環境や使用条件により変動する)。また、ZETagが搭載する新設計のアンテナは、スタッフ株式会社と共同開発したもので、金属製の資材に取り付けた場合も電波の減衰を防ぐ。
620mAhの電池で3万回以上の通信が可能
ZETAが通常双方向での通信を特徴とするのに対し、ZETagはタグから基地局への単方向通信に固定したほか、送信電波強度を10mWに設定した。これらにより消費電力を抑えており、620mAhの電池使用時で3万回以上の通信が可能となっている。
ZETagDRIVEは、基地局がZETagから検知した情報を記録、管理するクラウド型システムプラットフォーム。分散アーキテクチャを採用したZETagDRIVEは、100万個以上のZETagの同時アクセスに対応する。そのため、数万から数十万個の資材を同時に管理する物流現場での利用が可能だ。
なお、ZETagにはZETagIDを取得する標準版に加えて、RFIDや温度も取得するRFID搭載版がある(薄型版、GPS搭載版は開発検証中)。サイズは標準版が63×35×9mm、RFID搭載版が86×54×7mmとなっている。いずれも防塵防水レベルIP55で、専用ケースを使用することでIP68となる。
同社は2021年10月から、ZETagおよびZETagDRIVEに通信基地局を組み合わせた実証実験キットの提供を開始する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- LPWA機器向けの低消費電流SPDTスイッチ
新日本無線は、LPWA機器向けの低消費電流SPDTスイッチ「NJG1816K75」の量産を開始した。消費電流が0.1μAと小さく、バッテリー電力の供給時間を延長する。 - 機能を拡充した無線マイコンシリーズ
STマイクロエレクトロニクスは、無線通信方式「LoRa」に対応したワイヤレスマイクロコントローラー「STM32WL」シリーズを拡充した。機能やパッケージオプションを拡充し、新たにデュアルコア搭載のマイクロコントローラーを追加している。 - 600M〜6GHzに対応、5GおよびセルラーLPWA向けアンテナ
タイコ エレクトロニクス ジャパンは2020年10月、5G、NB-IoT、LTE-M向けの新しいアンテナを発表した。600M〜6GHzの周波数帯域に対応し、IoT用セルラー機器での利用を見込む。 - ソニー独自のLPWA規格ELTRES対応の通信モジュール
ソニーは、IoT向け通信モジュール「CXM1501GR」を商品化した。BPSK変調LSI、GNSS受信LSI、外付けアンテナとのインピーダンス整合を行う回路などを内蔵し、同社が独自開発したLPWA(Low Power Wide Area)通信規格ELTRESに対応している。 - LTE-M、NB-IoT接続プラットフォーム
ジェムアルトは、クアルコム・テクノロジーズの「Qualcomm9205 LTE IoTモデム」を基盤とする「Cinterion LPWAN IoTモジュールプラットフォーム」を発表した。単一の小型IoTモジュールから、LTE-M/NB-IoT接続をサポートする。 - 高効率な降圧型スイッチングレギュレーター
エイブリックは、高効率な降圧型スイッチングレギュレーター「S-85M0A」シリーズを発売した。ウェアラブルやIoT機器の小型、薄型化に貢献し、スタンバイ時の電池の消費を低減できる。