次世代規格Advanced M-FSK対応のIoTタグ用LSI:ソシオネクスト SC1330A
ソシオネクスト、ZiFiSense、テクサーは、IoTタグ用LSI「SC1330A」を共同開発した。LPWAN2.0とAdvanced M-FSK変調に対応し、物流追跡や資産管理などの分野で、低電力、低コスト、長距離伝送、高速通信を可能にする。
ソシオネクストは2022年5月、ZiFiSense、テクサーと共同開発した、IoT(モノのインターネット)タグ用LSI「SC1330A」を発表した。LPWAN2.0とAdvanced M-FSK変調に対応し、低電力、低コスト、長距離伝送、高速通信を可能にする。
SC1330Aは、32ビットRISC-Vコアと内蔵メモリ、信号処理ユニットを1チップ化したLSIだ。アップストリーム送信に特化することで、コストと消費電力を削減している。キャリアセンス機能を搭載し、他の通信との干渉を防止する。対応周波数は418M〜510MHzおよび815M〜930MHzで、通信速度は3〜5kmの距離で1kビット/秒を示す。
時速100kmの高速移動体との通信も可能
SC1330AとZiFiSenseの「ZETA SDR(Software Defined Radio)ゲートウェイ」を組み合わせることで、高速モバイル通信も可能となり、通信速度は100〜100kビット/秒、感度は−150〜−110dBmを示す。時速100kmで動く移動体の半径6〜10km圏内で通信できる(通信速度600ビット/秒、送信出力10dBm)。
これらの性能のカギとなるのは、SC1330Aと同ゲートウェイに採用した、Advanced M-FSK変調方式だ。Advanced M-FSKは、超狭帯域通信技術とスペクトラム拡散技術を組み合わせて、エラー訂正などを全てハードウェア物理層で処理するため、他のLPWA方式と比べて性能向上が期待できる。
SC1330Aは4×4mmの24ピンQFNパッケージで提供され、環境監視、物流追跡、資産管理、無人検針での利用が見込まれる。サンプル出荷開始は同年7月、量産は同年12月を予定している。なお、ZiFiSenseはSC1330Aを搭載した「ZiFiSense製ZETagモジュール」の量産を計画中だ。
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