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軽量難燃のEV電池用絶縁フィルム向け樹脂:SABIC NORYL NHP8000VT3樹脂
SABICは、EV用電池モジュールの絶縁フィルム向け「NORYL NHP8000VT3樹脂」を発表した。ポリカーボネートと比べて最大40%の軽量化を可能にしつつ、短絡や火災伝搬に対する高い保護性能を提供する。
SABICは2022年6月、電気自動車(EV)用電池モジュールの絶縁フィルム向け「NORYL NHP8000VT3樹脂」を発表した。ポリカーボネートと比べて最大40%の軽量化を可能にしつつ、短絡や火災伝搬に対する高い保護性能を提供する。
耐トラッキング性と極薄肉難燃性を備える
NORYL NHP8000VT3は、独自の特許技術により、600〜800Vの高電圧電池で使用可能な、ポリフェニレンエーテル(PPE)ベースの樹脂だ。比較トラッキング指数性能の最高レベル、カテゴリー0(CTI PLC0)を満たす。
極薄肉押出や真空、圧空による成形が可能なほか、非臭素化、非塩素化難燃特性を備える。厚み0.25mmでUL94 V0規格に適合し、既存のポリカーボネートおよびポリプロピレン製フィルムに勝る機械的強度、優れた難燃性を発揮する。
同樹脂をEV向け電池モジュールに利用することで、乗客の安全の確保、充電時間の短縮、走行距離の延長、車両内エネルギー管理の向上に貢献する。オーバーモールドやインサート成形プロセスによる金属EVバスバーの絶縁用材料にも適する。
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