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直流/交流電圧や抵抗の測定と仕様の見方:初めて使うデジタルマルチメーター(2)(3/8 ページ)
デジタルマルチメーターの基礎的な使い方について解説する本連載。今回は直流/交流電圧および抵抗の測定と仕様の見方について説明する。
漏れ電流による誤差
デジタルマルチメーターを使って高い信号源抵抗を持つ直流電圧源を測定する場合は、デジタルマルチメーターからの微小な漏れ電流が誤差要因となる。漏れ電流は34461Aでは30pA(25℃)という仕様となっている。漏れ電流は周囲温度が30℃を超えると、8℃ごとにバイアス電流は2倍になる。
1000Vを越える直流高電圧の測定
34461Aでは、1000Vまでの直流電圧まで測定可能となっている。これ以上の高い電圧を測定する場合は、外部に分圧器を用意して測定を行う。分圧器は、高電圧プローブとして販売される場合もある。高電圧の測定は危険であるため、入力端子の低圧側は接地する。
微小な直流電圧の測定
34461Aの直流電圧を測定する最小電圧レンジは100mVとなっている。このレンジより小さい電圧レンジで直流電圧を測定したい場合は、微小電圧測定専用のナノボルトメーターという測定器を利用する。下図に示すナノボルトメーターでは1mVまでのレンジがある。
【ミニ解説】デジタルマルチメーターで採用されている安全端子
デジタルマルチメーターは高電圧まで測定できるようになっているため、最近のデジタルマルチメーターではIEC61010に準拠した安全端子が使われている。設計された時期が古い製品では、配線ケーブルを直接接続できるバインディングポスト端子が使われている。配線材の導体が手に触れる危険があるので、利用する場合は注意が必要である。
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