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直流/交流電圧や抵抗の測定と仕様の見方:初めて使うデジタルマルチメーター(2)(5/8 ページ)
デジタルマルチメーターの基礎的な使い方について解説する本連載。今回は直流/交流電圧および抵抗の測定と仕様の見方について説明する。
交流電圧を測定するためのデジタルマルチメーターの操作
34461Aでは、交流電圧を測定するために設定する項目は下図のように構成されている。
34461A本体パネルにある「ACV」キーを押すと下図に示すような画面となり、電圧レンジとハイパスフィルターの設定ができるようになる。
最初に設定するのが、左端にあるレンジの設定になる。直流電圧測定と同じで通常は「Auto」に設定して測定するが、測定スピードを上げたいときやレンジ間誤差を無くしたいときは固定レンジに設定する。
ACフィルターの設定画面は下図のようになる。一般的な使い方であれば「>20Hz」を選択する。
ひずんだ波形を測る際の注意点
34461Aでは、下図に示すようにひずんだ波形の交流電圧を測定する際の制約がある。ひずんだ波形を測定する場合は、デジタルマルチメーターで測定する前に、オシロスコープやメモリレコーダーで波形を確認する必要がある。
750Vrmsを越える交流高電圧の測定
電力設備などでは交流高電圧の測定が必要となる。古くから安全に交流高電圧を測定する方法として、計器用変圧器(PT:Potential Transformer)とも言われている)が使われることがある。高電圧用の計器用変圧器が使える周波数範囲はデジタルマルチメーターより狭いので、測定を行う場合は利用できる周波数範囲を確認する必要がある。
計器用変圧器以外では、コンデンサー形計器用変圧器というものがある。高電圧の直流電圧を測定するところで説明した分圧器と同じ原理であるが、抵抗の代わりにコンデンサーを用いて分圧している。
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