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ドイツ製の寒天製造機を修理【原因追及編】Wired, Weird(2/2 ページ)

珍しい機器の修理依頼があった。寒天を作る機器で、しかもドイツ製だ。依頼者から『寒天があふれて、機器内部に入って動作不良になった。購入した販売代理店では修理できなかった』ということだった。面白そうなので修理を引き受けた。今回はドイツ製寒天製造機の修理を報告する。

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内部確認すると驚きの光景が……

 図4は背面のカバーを外したものだ。下側にAC100Vが入力されトランスでAC18VとAC8Vを生成。中央下のダイオードブリッジとコンデンサーでDC25Vが生成されていた。


図4:背面カバーを外したところ[クリックで拡大]

 図5は操作パネルのある正面のカバーを少し開けたもので、図5左下に制御基板が取り付けてあった。


図5:正面のパネルを外したところ[クリックで拡大]

 本体の操作パネル側を開けて基板や内部の部品を確認した。図6に示す。


図6:操作パネル側の内部基板[クリックで拡大]

 図6は制御基板で7個のコネクターがあった。また制御基板に寒天は被ってなさそうだった。不思議に思いつつ、タンクの下のモーターをのぞいてみると、大変なものが見つかった。


図7:タンク下のモーター[クリックで拡大]

 なんとモーターの配線がニッパーのようなものでバッサリ切られていた(図7赤矢印で示した部分)。なんだ、これは! この機器は分からないことだらけだ。

分からないことだらけなので、代理店に問い合わせると……

 このままでは、修理作業が継続できないので、メーカーの販売代理店にエラー内容と配線切れの件で問い合わせを入れた。配線が切られているとの情報を伝えたことに効果があったようで、代理店からすぐに応答があり、機器のシリアル番号を教えてほしいということだった。シリアル番号の写真と今までの調査の報告書を一緒に送った。

 翌日に代理店から返事があった。

エラー内容は、ER9=センサー異常、ER8=フタ無し、ER4=モーター回転不良。

この機器の修理を依頼された際に、ユーザー(=今回の修理依頼主)へ「修理不可」と回答したところ、ユーザーは「廃棄する」ということだったので、安全を配慮して(代理店で)モーター配線を切断した。

との内容だった。

 これでやっと疑問がクリアされた。

 通電したときの動作を再確認したが、ふたを開けて通電したのでER8の表示は正常だった。またモーターの配線が切られており回転しないのでER4も正常だろう。何とか現状の疑問は解けた。これでこの機器の修理が継続できるめどがついた。続きは次回に報告する。

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