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LED照明の調光やモーター制御などで使える電流制限制御の裏ワザQ&Aで学ぶマイコン講座(76)(3/3 ページ)

マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、中級者の方からよく質問される「LED照明の調光やモーター制御などで使える電流制限制御の裏ワザ」についてです。

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電流制限制御ありの回路構成

 用途によっては、モーター始動時に大きすぎる電流が流れると、モーター駆動回路の損傷や機器の破損につながることがあります。このような場合、電流制限制御をする必要があります。先ほどの回路の加えて、電流制限制御の回路を追加した回路を示します(図3)。

<strong>図3:モーター駆動電流制限あり等価回路図</strong>
図3:モーター駆動電流制限あり等価回路図[クリックで拡大]

 電流制限等価回路は、以下の6回路で構成されています。

  • コンパレーター
  • D-Aコンバーター
  • PWM
  • コンパレーター信号保持回路
  • PWM・コンパレーターAND回路

電流制限制御の動作原理

 モーター電流制御の例として、モーター電流を1A以下に制限したときの動作例を図4に示します。電流制限回路によって電流制限制御されているため、モーター駆動電流のピーク電流値は最大で1A程度におさまっています(グラフでは100mV以下)

<strong>図4:モーター駆動電流制限あり</strong>
図4:モーター駆動電流制限あり[クリックで拡大]

 コンパレーターで比較した電流が指令値を超えた場合、コンパレーター出力はHiとなり、PWMの出力は次のPWMサイクル開始までOFFになります。そのため、コンパレーターが過電流を検出してから次のPWMサイクル開始までの間、負荷駆動用トランジスタがOFFされ、電流出力値が制限されます。モーター速度が上昇するにつれて、モーター電流は減少します。モーター電流が電流制限制御以下の値になった時、コンパレーター出力はLowになります。

マイコンで電流制限制御を実現するには

 前述のような電流制限制御を実現したい場合、コンパレーター、D-Aコンバーター、PWMを内蔵したマイコンを使用することを推奨します。STマイクロエレクトロニクスのSTM32G0B1マイコンではこれらのペリフェラルを全て内蔵しており、安価に電流制限制御を実現できます。

 コンパレーターを使用した電流制限の実現方法については、アプリケーションノートAN4232”Getting started with analog comparators for STM32F3 Series and STM32G4Series devices”内で、Cycle-by-cycle current controlとして紹介されているので、興味のある方はこちらもご参照ください。

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