USB PD規格準拠の製品設計を簡略化:STマイクロ X-CUBE-TCPP
STマイクロエレクトロニクスは、同社のマイクロコントローラー「STM32」に向けて、USB PD規格に準拠した製品の設計を簡略化するUSB Type-C PDソフトウェアパッケージ「X-CUBE-TCPP」を発表した。
STマイクロエレクトロニクスは2022年12月、同社のマイクロコントローラー「STM32」に向けて、USB Power Delivery(PD)規格に準拠した製品の設計を簡略化するUSB Type-C PDソフトウェアパッケージ「X-CUBE-TCPP」を発表した。同社WebサイトやGitHubから無償でダウンロードできる。
X-CUBE-TCPPは、開発エコシステム「STM32Cube」を用いた開発を簡略化できる。また、同社のUSB Type-Cポート保護IC用のライブラリも提供。保護ICは3種で、シンクアプリケーション向けの「TCPP01-M12」、ソースアプリケーション向けの「TCPP02-M18」、デュアルロールパワーアプリケーション向けの「TCPP03-M20」となる。
3種の保護ICは、STM32に搭載されたUCPD(USB Type-C、PD)インタフェースIPと連携して機能する。最大20V、5A(100W)の標準電力範囲で、USB PDに対応可能となる。USB Type-Cの実装をマイコンとポート保護ICで分割することにより、設計の簡略化のほか、コスト削減、基板面積の最小化が図れる。
USB Type-C規格への準拠も簡略化
Power Delivery PHY非搭載のSTM32を用いた開発にも対応し、USB Type-C規格への準拠を簡略化する。EUでは、電子廃棄物の削減を目指してモバイル機器の充電端子をUSB Type-Cに統一する動きがあるが、X-CUBE-TCPPはこうした持続可能な製品設計に寄与し、新しい法体制にも対応する。
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