動作検証済みソリューション10種を公開、ルネサス:ウィニング・コンビネーション
ルネサス エレクトロニクスは、車載用製品と非車載用製品を組み合わせたソリューション「ウィニング・コンビネーション」10種を公開した。EV充電器や車両のクラスタ制御向けなどのソリューションで、エンジニアがあらかじめ設計検証をしている。
ルネサス エレクトロニクスは2023年3月、車載用製品と非車載用製品を組み合わせたソリューション「ウィニング・コンビネーション」10種を公開した。いずれも同社製品を組み合わせたもので、エンジニアがあらかじめ設計検証をしていて、ユーザーが設計する際のリスクを抑え、開発期間を短縮する。
10種のソリューションのうち、「スマートEV(電気自動車)充電器用OCPPインタフェースカード」は、充電器にアドオンするOCPPインタフェースカードの開発を可能とする。OCPPは、充電管理システムとネットワーク化した充電ステーション間の通信に用いるものだ。OCPPインタフェースカードを用いることで、スタンドアロン型のEV充電器もOCPPサーバに接続でき、リモートによる充電器の設定管理やEVの認証、リアルタイムのアラート取得などが可能となる。
「EV用3kWオフボード充電器」は、ユニバーサル入力に対応した。同社のマイクロコントローラーがPFC(力率改善回路)を制御し、ZVS(ゼロボルトスイッチング)を管理できる。
また、「接続型Androidクラスタ」により、開発者はコックピットアプリケーションの開発に用いるモジュールやペリフェラルを使用できる。Wi-FiやLTE、GPSなどの無線接続オプションをリファレンスボードに備えるほか、CAN FDのデュアルチャンネルを介して車外からの情報にアクセスできる。
通信、充電など多様なソリューションを用意
その他のソリューションとして、汎用性の高いバッテリー駆動の「EV用ポータブル充電器」や、「EV充電パイル用の料金、通信ユニット」「2輪、3輪車トラクションモーター制御用の低電圧インバーター」「EV充電器用高性能ウォールボックス」がある。
さらに、「自動車用テレマティクスボックス」は、無線ゲートウェイとして車両全体の遠隔通信インタフェースを提供し、「車両制御ユニット」はソフトウェア指向アーキテクチャやソフトウェア定義型自動車の実装を簡素化する。「テレマティクス搭載低コストTFTインスツルメントクラスタ」は、画像表示や接続に関するソリューション開発を支援する。
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