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SK hynix製メモリも搭載、Huaweiの5Gスマホが業界に波紋7nmプロセスSoCに続くサプライズ(2/2 ページ)

TechInsightsによると、Huaweiの新型5Gスマートフォン「Mate 60 Pro」にはSMIC製の7nm SoCのほか、韓国SK hynixの12GBのLPDDR5メモリと512GBのNAND型フラッシュメモリも搭載されていたという。

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米国メーカーから、制裁緩和を求める声も

 今回のHuaweiによる5Gスマホ発表の持つ意味は大きい。HuaweiはSMICと共同で7nmプロセスのSoCを製造したことで、SMICがEUVリソグラフィ装置を利用することなく、健全な技術的進歩を達成したことを実証したことになる。

 他方、中国のハイテク技術の自給体制強化は、米国企業の商業的利益に影響を与える可能性があるとの見方もある。特に、QualcommやNVIDIAのような米半導体メーカーが、半導体技術躍進に対する中国の意欲を抑えるために制裁の緩和を主張している。

 TechInsightsのHutcheson氏は、中国がTSMCやSamsung Electronics(以下、Samsung)のような主要ファウンドリーから2〜2.5ノードの後れを取っていると指摘する一方で、『中国は14nmプロセスノードが限界だろう』と人々が考えていたことにも言及している。

 Hutcheson氏はロイター通信の記事で、SMICの7nmプロセスの歩留まりについても触れている。この歩留まりは、業界標準が90%以上であるのに対し、一部の調査会社では「50%以下」と見なされている。ただ、同氏によると、Huaweiの5Gチップについては、歩留まりは「50%以上」とみるのが妥当だという。同氏は、2022年にSMICが中国のビットコイン採掘業者Bitman Technologies向けに製造した7nmチップよりもはるかに高性能だと考えている。

 現在のところ、Huaweiの新型5Gスマホは中国で好調で、中国のソーシャルメディアでは称賛を浴びている。しかし、TSMCやSamsungの工場で製造される3nmプロセスのSoCを搭載した5Gスマホに対抗できるだろうか? それは時がたてば分かるだろう。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EDN Japan】

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