ハイエンドスマートフォン向けSoC:メディアテック Dimensity 9200
メディアテックは、ハイエンドスマートフォン向けのSoC「Dimensity 9200」を発表した。第6世代の「APU 690」を搭載し、パフォーマンスが35%高速化したほか、優れた電力効率を誇る。
メディアテックは2022年11月、ハイエンドスマートフォン向けのSoC「Dimensity 9200」を発表した。既に同チップを搭載したスマートフォンが開発中で、同年末までに発売の予定だ。
スマートフォンチップとしては、同社で初めて動作速度3GHz超の「Arm Cortex-X3」を搭載。ハードウェアベースのレイトレーシングエンジンを備えた「Arm Immortalis GPU」も初採用している。
また、同社のゲーム技術「HyperEngine 6.0」を搭載しており、滑らかで高速なアクションができるため、ゲーム上のさまざまな場面で没入感が得られる。
第6世代APU搭載で、パフォーマンスが35%高速化
電力効率に優れ、AI(人工知能)―ノイズ低減使用時の4K HDR ビデオキャプチャーで電力を最大30%、全ての映像アプリケーションではAI―超解像度の電力を45%削減する。
APU(人工知能プロセッシングユニット)として、第6世代の「APU 690」を搭載。APU 690は、第5世代品と比較して、ベンチマーク「ETHZ5.0」でのパフォーマンスが35%高速化している。
また、Wi-Fi 7に対応しており、毎秒6.5Gビット(最大)の通信速度をサポートする。搭載した5Gモデムは、ネットワーク検索を高速化したり、圏外からの5G接続を回復できるAI(人工知能)を内蔵している。
TSMCの第2世代4nmプロセスを採用し、同社のサーマルパッケージと組み合わせることで電力効率を高める。ディスプレイは、最大240HzのフルHD+、最大144HzのWHQD、最大60Hzの5K(2.5K×2)に対応。他に、視聴体験を快適にするスマートブルーライトディフェンダーや画質を最適化するAIビジュアルセマンティックディスプレイを搭載したほか、Bluetooth LEオーディオにも対応している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- FWAルーターとCPE向けの5Gプラットフォーム
メディアテックは、FWAルーターおよびモバイルホットスポットのCPE向け5Gプラットフォーム「T830」を発表した。サブ6GHzの周波数帯域で最大7Gビット/秒の通信速度を提供できる。 - タッチセンシング技術を搭載したHMI向けSoC
インフィニオン テクノロジーズは、HMI向けのSoC「PSoC 4100S Max」を発表した。同社の第5世代タッチセンサー技術「CAPSENSE」を搭載し、相互容量センシングと自己容量センシングを備えるため、さまざまなタッチスクリーン機能に対応する。 - SIL3認証向け低電力FPGA用機能安全パッケージ
マイクロチップ・テクノロジーは、機能安全規格「IEC 61508 SIL3」の認証を容易にする、FPGA機能安全パッケージを提供する。低消費電力FPGA「SmartFusion 2」「IGLOO 2」を使ったシステムの短期開発に貢献する。 - LE Audio対応補聴器の要件を満たした新機能
前編で説明した通り、トポロジーと接続の要件定義ができたところで、それらに対応するために多数の新機能をコア仕様に追加する必要があることは明らかです。今回は、それらに対応するための要件をコア仕様の中でどのように満たしたのか、さらに追加された新機能がどのように消費者向けのアプリケーションに応用されるに至ったのか解説します。 - 4Kテレビやゲームに適したAIエンジン搭載SoC
MediaTekは、リフレッシュレート120Hzの4Kテレビに適したAIエンジンを搭載したSoC「Pentonic 700」を発表した。スマートTVやゲーム、ビデオ会議などに適する。2022年10〜12月に、同SoC搭載のスマートTVを発売予定だ。