修理途中で投げ出された電源ユニットを修理(前編):Wired, Weird(2/2 ページ)
知人の会社から事前連絡もなく、荷物が届いた。その荷物は、修理を途中で諦めたと思われる電源ユニットだった。
実装されていたはずの部品を推定
外された部品は添付されてない。なんとか部品を見つけ出して修理するしかない。過去の修理経験とキーワードの『RCC電源』『7ピンのZIP』、シルク文字の『M21』を連想したら、『MA2410』の型名のデバイスが頭に浮かんだ。データシートを探し、何とか部品が見つかった。部品の購入先を探したら、ちょうどインターネットオークションに出品されていた。図3に示す。
図3左はデータシートのピン配列で、図3右は上位品の「MA2430」の写真だ。しかし、データシートには各ピンの説明資料はなかった。落札して3日後に部品が届いた。
コネクター出力の電圧が6.2Vという半端な値に……
7ピンのSIPを7ピンのZIPにフォーミングして基板に実装した。しかし、このままAC100Vを通電するとせっかく入手できたMA2430が壊れる可能性がある。過去の経験でRCC回路は軽負荷であれば50V程度の電圧でも動作する。24Vの電源と31Vの安定化電源を直列接続し、電流を制限して動作を確認した。すると、電流は40mAだったが電源出力のLEDが点灯した。出力電圧を測定したら6.2Vだった。電源が動き始めたようだ。AC100Vを接続し、スイッチング動作を確認した。波形と通電表示を図4に示す。
図4は発振波形で周波数は160kHz程度だった。周波数が少し高いがRCC電源では、負荷が軽いと2次側の充電が早く終わって発振周波数が高くなるので大丈夫だろう。電源の表示灯も点灯し修理は完了かと思ったが、コネクター出力の電圧が6.2Vという半端な電圧になっていて気になった。電源の製造元は大手メーカーだったが取扱説明書はWebで探しみても見つからなかった。取りあえずメーカーのWebから問い合わせてみた。簡単な質問なのにメーカーの対応が非常に遅く、回答内容も怪しかった。続きは次回に報告する。
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