ゾーンアーキテクチャとイーサネットが自動車の将来を推進:新機能採用やソフトウェア定義型自動車など(4/4 ページ)
自動車の新機能採用やソフトウェア定義型自動車(SDV)などの成長中のトレンドを実現するために必要なゾーンアーキテクチャおよびイーサネットについて解説します。
ゾーンアーキテクチャ内の PHY
イーサネットでは、高速データを送受信するためにPHYを使用する必要があります。車載用イーサネットPHYを使用すると、このような不安定な環境での信号品質の低下など、イーサネットを車内配線のバックボーンとして使用する際の多くの懸念事項を解消できます。
また、イーサネットPHYはイーサネットの各種準拠規格に合格しているので、適合性と電磁干渉に関する特定の相互運用性と信頼性規格、さらにはOpen AllianceのTC1/C12で規定されているIEEE 規格に準拠していて、自動車環境での動作も可能です。信号品質表示、時間領域反射率測定、静電気放電(ESD)センサーなどの高度な診断機能を搭載したPHYは、エラーを検出し、適切に調整することができます。仮にESDが発生した場合、PHYは割り込み信号をSoC/メディアアクセス制御に送信してESD発生を通知した後、システム内の他の部品をチェックします。
また、イーサネットPHYはOpen Alliance TC10仕様のウェークアップとスリープを使用して、SPEケーブル経由でリモートECUをウェークアップすることもできます。その結果、スリープ状態からECUをウェークアップするための個別の配線が不要になります。また、サイバー攻撃は自動車ネットワークに対する最大の脅威になるので、IEEE 802.1AE Media Access Control Security(MACsec)は、ネットワークECUの認証を可能にし、サイバー攻撃を回避するためのデータの暗号化/復号を行うための重要なテクノロジーになる可能性があります。
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