低電流領域のSBD内蔵SiC-MOSFETモジュール:耐電圧3.3kV
三菱電機は、大容量SiCパワー半導体「SBD内蔵SiC-MOSFETモジュール」の新製品として、定格電流400Aの「FMF400DC-66BEW」と同200Aの「FMF200DC-66BE」を発売した。鉄道車両や直流送電などの大型産業機器向けで、耐電圧はいずれも3.3kVだ。
三菱電機は2024年6月、大容量SiC(炭化ケイ素)パワー半導体「SBD内蔵SiC-MOSFETモジュール」の新製品として、定格電流400Aの「FMF400DC-66BEW」と同200Aの「FMF200DC-66BE」を発売した。鉄道車両や直流送電などの大型産業機器向け製品で、耐電圧は両製品とも3.3kVだ。
多様な出力容量のインバーターに対応
同社は同年3月に、耐電圧3.3kV、定格電流800Aの「FMF800DC-66BEW」を発売した。今回、これに低電流領域のFMF400DC-66BEW、FMF200DC-66BEを追加し、「Unifull(ユニフル)」シリーズとして提供する。
同シリーズは、SBD(ショットキーバリアダイオード)内蔵のSiC-MOSFETを採用し、パッケージ構造を最適化したことで、スイッチング損失を従来のフルSiCパワーモジュールに比べて約54%低減した。また、従来のSiパワーモジュールとの比較では、スイッチング損失を91%低減している。
絶縁耐電圧は6.0kVrmsで、結線は2in1、外形サイズは100×140×40mm。BMA(パイポーラ活性化)セル構造の採用によって、サージ電流耐量が向上し、インバーターの信頼性を高めることができる。
今回発売した低電流領域の2製品は、鉄道車両の補助電源装置や小容量の駆動システムで活用できる。電力変換効率の向上のため、幅広い出力容量が必要となる大型産業機器向けインバーターに対応する。
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