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体積85%減、高精度位置検出用ホールセンサー:旭化成エレクトロニクス HQ0A11
旭化成エレクトロニクスは、インジウムヒ素(InAs)化合物ホールセンサー「HQ0A11」を発表した。0.8×0.4×0.23mmと小型・薄型ながら、従来のガリウムヒ素(GaAs)系製品の3.5倍以上の位置検出精度を備える。
旭化成エレクトロニクスは2024年12月、同社製品において最小、最薄のインジウムヒ素(InAs)化合物ホールセンサー「HQ0A11」を発表した。同年11月から量産出荷を開始している。
サイズは0.8×0.4×0.23mmで、既存製品のInAs化合物ホールセンサー「HQ0811」から85%体積を削減した。感度は0.66mV/mA/mT、ノイズは1.51μVrms/mA。位置検出精度に関わるS/N性能(信号対雑音比)に優れ、HQ0811を約16%上回っている。
S/N性能がGaAs系主力製品の3.5倍超
カメラモジュール向けの主力製品で、ガリウムヒ素(GaAs)系ホールセンサーの「HG0C11」との比較では、3.5倍以上の位置検出精度を誇る。これにより、スマートフォンカメラの望遠レンズで特に発生しやすい「レンズ揺れ」を低減できる。
ホールセンサーには磁性材料が含まれていないことから、吸着や磁場の強度の変化がもたらす故障や動作異常が発生しにくく、モーター周辺などの環境でも安定して動作する。
主な用途として、スマートフォンなどのカメラモジュール、業務用および家庭用小型ロボット、高感度特性を生かした紙厚検知などを見込む。
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