長距離無線通信対応のスマートメーター用SoC:STマイクロ STM32WL33
STマイクロエレクトロニクスは、スマートメーターなど向けのワイヤレス通信対応SoC(System on Chip)「STM32WL33」の提供を開始した。Sub-GHzの長距離無線に対応するほか、低消費電力の受信専用広帯域無線も備えた。
STマイクロエレクトロニクスは2024年11月、スマートメーターなど向けの長距離ワイヤレス通信対応SoC(System on Chip)「STM32WL33」の提供を開始した。Sub-GHzの長距離無線に対応する。大量購入時の参考価格は、1個当たり約2.03米ドル(約312円)だ。
同製品は、Arm Cortex-M0+コアや256Kバイトのフラッシュメモリ、32KバイトのSRAMを備えた。スマートメーター機器に適した周辺回路も採用している。
同社独自のアナログ流量センサーコントローラーを搭載し、水道メーター製品の設計を効率化できる。内蔵回路は、既存のコイルベースの機械式メーターとの併用が可能で、マイクロコントローラーなしで液体流量を測定できる。改ざん防止機能も搭載した。
受信専用の広帯域無線を搭載
4.2μAと低消費電力の受信専用広帯域無線も備えた。メインの通信無線をオフにした状態で、ウェイクアップ信号を受信できる。スマートメーターのデータ読み取りや、ウェイクオンサービス機能によるファームウェアアップデートが可能となる。
プログラム可能なパワーアンプを2つ備え、RF出力パワーは+14dBmまたは+20dBmから選択できる。無線機能は、複数のプロトコルと変調方式に対応。最大600Kビット/秒の4(G)FSKや2(G)FSK、(G)MSK、DSSS、DBPSK、ASKを選択できる。
セキュリティ機能は、セキュアブートやセキュアファームウェアアップデート、乱数発生器(RNG)、128ビットAESを搭載した。413M〜479MHz、または826M〜958MHzのライセンスフリー帯域で稼働できる。
開発ボードとして、「NUCLEO-WL33CC1」(868MHz、915MHz開発向け)および「NUCLEO-WL33CC2」(433MHz向け)の提供も開始した。価格はいずれも約50米ドル(約7690円)だ。
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