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2025年、センサー設計のトレンドは「AIとの融合」:「CES 2025」(2/2 ページ)
センサー設計において、性能向上や付加価値向上のためのAI/ソフトウェアの重要性が増している。「CES 2025」の展示内容から、AIやソフトウェアを利用したセンサー設計の事例を紹介する。
低消費電力で高精度の距離測定、TDK
TDKは、視覚障害者向けテクノロジーを手掛けるWeWALKと共同で、超音波ToF(Time-of-Flight)センサー「InvenSense SmartSonic ICU-30201」のデモを披露した。このセンサーは、正確なプレゼンス測定や近接測定、距離測定などを必要とする製品のコンテキスト認識を強化するという。用途として、ロボットやドローン、警報装置、ドアロックやカメラデバイス、スマートビルディングシステムなどがある。
同製品は、MEMS圧電マイクロマシン超音波トランスデューサー(PMUT)と超低消費電力のSoC(System on Chip)を小型のリフロー可能なパッケージに統合したものだ。TDKは、距離測定やプレゼンス検知などの複数のアルゴリズムを提供している。センサーの処理能力によってマイコンの負荷を軽減し、消費電力を抑制できる。開発者はセンサー用にオリジナルのアルゴリズムを作成することも可能だ。
近年は小型化と電力効率がセンサー設計トレンドの中心になっていたが、現在はAIとソフトウェアが主要な設計トレンドとなっている。2025年以降もAI対応センサー製品の発表がさらに増えていくだろう。
【翻訳:田中留美、編集:EDN Japan】
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