一次電池機器のバッテリー使用時間を延長するパワーマネジメントIC:ノルディックセミコンダクター nPM2100 PMIC
ノルディックセミコンダクターは、パワーマネジメントIC「nPM2100 PMIC」を発表した。昇圧レギュレーターや一次電池を用いる機器のバッテリー使用時間を延長する。
ノルディックセミコンダクターは2025年1月、パワーマネジメントIC「nPM2100 PMIC」を発表した。既にサンプル品の提供を開始していて、2025年上半期の量産開始を計画している。
同製品は、低消費電力のマイクロコントローラーやSoC(System on Chip)の電源管理を行える。I2C(Inter-Integrated Circuit)互換のTWI(Two Wire Interface)を介して、出荷モードやバッテリー燃料計測といった機能を設定できる。
入力電圧範囲は0.7〜3.4V、出力範囲は1.8〜3.3Vで、最大150mAの電流を供給する昇圧レギュレーターを備えた。0.8〜3.0Vの出力範囲で最大50mAを提供するロードスイッチ、LDOも搭載。ワイヤレスマウスやキーボード、リモートコントロール、ウェアラブル医療機器など、一次電池を用いる機器のバッテリー使用時間を延長する。
バッテリーを挿入したまま製品を輸送できる出荷モードを備え、スリープ電流を35nAに抑えた。オプションで、特許出願中の「break-to-wake」など複数のウェイクアップ機能も提供。電気接続が切断された際、ボタンのない製品でも出荷モードから復帰できる。
消費電流を抑えたウェイクアップタイマーを搭載
出荷モードと同時に動作するウェイクアップタイマーも搭載。同タイマーでは一定時間ごとに復帰できるため、マイクロコントローラーやSoCの電源オフより深いスリープ設定が可能だ。休止モードでの総電流消費を200nA未満に抑えていて、SoCのタイマー待機モードと比べてバッテリー寿命を延長できる。
GPIO(汎用入出力)を2基備え、シリアル通信の代わりに制御機能の直接制御向け制御ラインとして再利用できる。また、ホストマイクロプロセッサ上で動作する電圧、温度ベースの燃料計測機能を備えていて、一般的なバッテリーレベルの推定と比較してより正確な測定が可能だ。
サンプル品のパッケージは、1.9×1.9mmのWLCSPと4×4mmのQFNの2種から選択できる。
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