AEC-Q100 Grade1準拠 分割抵抗不要の電圧検出器:トレックス XD6138シリーズ
トレックス・セミコンダクターは、車載信頼性規格AEC-Q100 Grade1に準拠した、高耐圧センス端子分離遅延付電圧検出器「XD6138」シリーズを発表した。分割抵抗が不要で、直接電圧監視ができる。
トレックス・セミコンダクターは2025年2月、車載信頼性規格AEC-Q100 Grade1に準拠した、高耐圧センス端子分離遅延付電圧検出器「XD6138」シリーズを発表した。既に量産中で、単価は123円(税込)だ。
XD6138シリーズは、電源電圧端子と電圧検出端子(センス端子)を分離した電圧検出器だ。76Vまでのセンス端子入力電圧に対応するため、車載12V、24Vバッテリーの電圧監視において低耐圧製品のような分割抵抗が不要で、直接監視が可能だ。
分割抵抗が不要なことから、ACC電源がオフの状態でもカーナビやECUのメモリなどのバックアップ電源として流れている常時電流(暗電流)を抑えられる。他に、高精度化や省スペース化、信頼性向上にも貢献する。
検出電圧と解除電圧をそれぞれ設定可能
一般的な電圧検出器では、検出電圧のみが設定可能で、解除電圧はあらかじめヒステリシス幅(検出電圧×5%程度)によって決められている。XD6138シリーズは、検出電圧と解除電圧をそれぞれ設定できる。検出論理はHigh、Lowを選択可能で、広く使われている電圧低下検出のほか、過電圧検出にも対応する。
遅延時間は外付けコンデンサーで外部調整でき、検出と解除遅延時間の比率を選択できる。また、CdおよびMRB端子をVSSレベルに落とすことで強制リセットできる、マニュアルリセット機能を搭載する。
動作温度範囲は−40〜+125℃。パッケージは2.9×2.8×1.3mmのSOT-25を採用している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
マイコンに搭載されている「低電圧検出器(LVD)」って何?
マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、初心者の方からよく質問される「低電圧検出器って何?」についてです。調整可能な過電流検出機能を搭載、2入力1出力のロードスイッチIC
ミツミ電機は、2入力1出力のロードスイッチIC「MM4068」の販売を開始した。USBやバックアップ電源など、2つの電源入力を選択し、単一出力できる。各種保護機能も搭載した。消費電流0.25μAのリチウムイオン電池保護IC
エスアイアイ・セミコンダクタは、電圧検出回路と遅延回路を内蔵した、リチウムイオン電池セカンドプロテクトIC「S-8224A/B」シリーズを発売した。従来製品の10分の1となる0.25μAの低消費電流を達成している。低オン抵抗の高速スイッチングパワーMOSFET
トレックス・セミコンダクターは、高速スイッチングパワーMOSFET「XPJ101N04N8R」「XPJ102N09N8R」を発表した。低オン抵抗が特徴で、エネルギー損失を抑制し、システム全体の効率向上に寄与する。省スペースかつ高効率を実現、36V/600mA降圧DC-DCコンバーター
トレックス・セミコンダクターは、降圧DC-DCコンバーター「XC9704」「XC9705」シリーズを発表した。出力電流は最大600mA、入力電圧は最大36Vで、産業機器などで使用される12Vや24Vの電源入力に対応する。