電力損失を最大79%削減する家電向けSiCモジュール、三菱電機:高出力化と電力損失低減を実現
三菱電機は、家電向けパワー半導体モジュール「SLIMDIP」シリーズでは初のSiC製品となる、フルSiC SLIMDIP「PSF15SG1G6」とハイブリッドSiC SLIMDIP「PSH15SG1G6」を発表した。
三菱電機は2025年4月、家電向けパワー半導体モジュール「SLIMDIP」シリーズ初の炭化ケイ素(SiC)製品として、フルSiC SLIMDIP「PSF15SG1G6」とハイブリッドSiC SLIMDIP「PSH15SG1G6」の2製品を発表した。同月22日からサンプル提供を開始している。
同社は、端子配列を最適化した小型のSLIMDIPパッケージに搭載可能なSiC-MOSFETチップを独自開発したことで、SLIMDIPシリーズで初のSiCでの製品化を果たした。
両製品は、SLIMDIPシリーズの現行Si製RC-IGBTと比較して高出力化していて、パワー半導体モジュール1つで、電気容量がより大きな家電に対応できる。また、現行のシリコン(Si)製品「SLIMDIP-L」に比べ、電力損失をフルSiC PSF15SG1G6は約79%、ハイブリッドSiC PSH15SG1G6は約47%低減した。家電の低消費電力化に寄与する。
SiC-MOSFETとRC-IGBTの並列駆動が可能
ハイブリッドSiC PSH15SG1G6は、SiC-MOSFETとRC-IGBTの並列駆動を可能にする新開発の駆動ICを備え、小型SLIMDIPパッケージに複数の部品を組み込む高度な技術が取り入れられている。これによって、SiC MOSFETが持つ低電流時のオン電圧特性とRC-IGBT(Si)が持つ大電流時の通電能力を両立した。
両製品の主な仕様は、定格電圧が600V、定格電流が15A、絶縁耐電圧が2000Vrms。パッケージサイズは、32.8×18.8×3.6mmだ。
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