配線容易化に貢献 車載ディスプレイ向けセグメント液晶ドライバーIC:セグメント出力数は688
セイコーエプソンは、車載(四輪/二輪)ディスプレイ向けセグメント液晶ドライバーIC「S1D15107」の量産を開始した。多セグメント表示が可能で、ディスプレイ実装時の配線容易化に貢献する。
セイコーエプソンは2025年8月、車載(四輪/二輪)ディスプレイ向けセグメント液晶ドライバーIC「S1D15107」の量産開始を発表した。多セグメント表示が可能で、ディスプレイ実装時の配線容易化に貢献する。サンプル価格は700円(税別)だ。
セグメント出力数が368から688に拡張
自動車や自動二輪車の高性能/高機能化のトレンドの中で、車載ディスプレイは表示する情報量が増加し、液晶化が進んでいる。セグメント液晶ドライバーICはICのセグメント出力能力によって駆動可能なセグメント数が限られるので、多くの情報をディスプレイに表示するには複数のセグメント液晶ドライバーICを組み合わせる必要がある。
今回量産を開始したS1D15107は、既存製品の「S1D15106」と比較して、セグメント出力数を368から688に拡張したものだ。これによって、1チップでも多くの16セグメントディスプレイやアイコンなどを表示できる。さらに、多数のCOM端子を配置することで、パネルの上面基板と下面基板にSEG配線/COM配線を分散させ、ディスプレイ実装時の配線を容易にする。
セグメント/コモン出力異常検出などの表示安全機能を備え、動作温度は最高105℃、AEC-Q100規格に対応している。
ホストと直接接続できるという既存製品の特徴も維持した。これによって、ホストから転送される表示画像データを外付けメモリなしでセグメント液晶に表示できる。スタティック駆動で高コントラストな表示を実現し、PWM方式による16階調セグメント表示も可能。スピードメーターや回転数表示などの視認性/表現力向上に適している。
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