クランピング電圧を15%低減したTVSダイオード、リテルヒューズ:過酷な電気環境下でも保護可能
リテルヒューズは、DC電源ラインの過電圧過渡保護向けTVSダイオード「5.0SMDJ-FB」シリーズを発表した。同社従来品と比較して、クランピング電圧が最大15%低減している。
リテルヒューズは2025年7月(現地時間)、DC電源ラインの過電圧過渡保護向けTVSダイオード「5.0SMDJ-FB」シリーズを発表した。同年8月上旬より、日本国内での販売を開始する。
同シリーズは、フォールドバック技術を搭載しており、VBR(ブレークダウン電圧)をVR(逆方向スタンドオフ電圧)以上に保ちつつ、同社従来品と比較してVC(クランピング電圧)が最大15%低減している。これにより、EFT(電気的高速過渡現象)やESD(静電気放電)、その他の過電圧状態に対する保護性能が向上した。
ピークパルス電力定格は最大5000W
ピークパルス電力定格は最大5000Wで、過酷な電気環境下でも強固な保護が可能だ。これにより、PoE(Power over Ethernet)システムやAIサーバ、ICT機器、工業用DC配電といった用途に適する。
スタンドオフ電圧は58〜64V、ブレークダウン電圧は最小が64.4〜71.1V、最大が71.2〜78.6V。最大クランピング電圧は80〜91.4Vで、ピークパルス電流は、長時間サージ(10×1000マイクロ秒)では48.5〜53.4A、短時間サージ(8×20マイクロ秒)では364〜401Aとなる。最大ジャンクション温度は150℃、テスト電流は1mA、最大逆電流は5μAとなる。
パッケージは、表面実装に対応したコンパクトなDO-214AB(SMC)を採用。従来品の「5.0SMDJ」シリーズと同じフットプリントのため、容易に置き換えられる。
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